Project/Area Number |
23K18867
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
:Education and related fields
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 寛樹 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 招へい研究員 (60977859)
|
Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | face / infant / egocentric vision / home environment / 顔 / 発達 / 多感覚 / 乳児 |
Outline of Research at the Start |
顔知覚の発達には,生後の乳児の顔の経験が重要な役割を担う.近年,頭部装着型の小型カメラによって,日常的な乳児の顔の視覚経験を分析できるようになってきた.ただ,実験室では,発話・接触などを伴う多感覚入力が顔の知覚学習を促進することが報告されている.日常環境においても,このような多感覚入力を,乳児は顔と同時に経験しているのだろうか? 本研究では,小型カメラで日常的な親子のやりとりを記録することで,乳児の顔の経験と多感覚入力の共起性,及びその発達変化を明らかにする.本研究によって,多感覚入力が実世界にでも乳児の顔知覚の発達に寄与しうるのか,実験的知見の生態学的妥当性の検証が期待できる.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,乳児が日常生活で経験する視覚情報を扱った映像記録の分析を行った.渡航先である米国インディアナ大学ブルーミントン校では,乳児の頭部に軽量のアクションカメラを装着することで,日常生活で乳児が経験する視覚情報を縦断的に記録している.乳児が経験している他者の顔の特徴およびその発達変化を明らかにするため,本年度は生後2ヶ月から15ヵ月までの乳児の映像記録を用い,そのアノテーションを行った.具体的には,乳児の視野に顔が映っている場面のフレームを特定し,画像として抽出した.現在,画像処理や追加アノテーションなどを実施しながら,乳児が経験する顔の視覚特徴とその発達変化を分析している. また,乳児の顔の経験は,養育者から乳児へのモニタリング行動に依存する.このため,親子間相互作用が乳児の視覚経験に与える影響を検討するうえでも,乳児の視覚経験と同時に,養育者から乳児へのモニタリング行動も評価することが重要である.本年度は,ウェアラブルな視線計測装置・心電図を活用することで,養育者のデータも同時に取得できる記録系を確立した.現在も同記録系を用いてデータ収集を継続的に実施している.また,養育者に装着したウェアラブルな視線計測装置から取得したデータの分析を通して,養育者から乳児の顔への注視行動が乳児の月齢に伴って減少していく傾向があることを明らかにした.研究成果は現在国際学術誌に投稿中であり,来年度には論文が掲載されることが期待される.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
米国でのデータ収集は完了しており,当初の計画通りアノテーションを進めている段階にある,また,親のモニタリング行動についての研究成果も投稿段階にあり,おおむね順調に進展しているといえる.ただし,本研究は乳児の顔の視覚経験の特徴を日米間二か国で比較することを目的としているものであり,日本でのデータ収集についてはいまだセットアップの段階にある.このため,研究プロジェクト全体としてはやや遅れていると言わざるを得ない.次年度は,日本でのデータ収集・アノテーションを速やかに実施していくことが望まれる.
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は,日本でのデータ収集・アノテーションをすすめつつ,乳児が経験する顔についてその特徴を日米間で比較分析することを予定している.研究計画を遂行するための対策として,既にアノテーションされた米国でのデータを用いて前処理や解析手法等を確立しておくことを計画している.日本のデータのアノテーション完了後,速やかに比較分析に移行することが期待できる.
|