Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
1920-30年代において、デューイは教育論のみならず、政治・経済・技術といった諸領域をまたぐ産業社会論においても個人や個性を集中的に主題化した。その背景には産業の構造変容と経済破綻、人々の大衆化といった社会・経済的状況があり、デューイはこれらを論じることで個性概念のとらえ直しを企図したと考えられる。したがって本研究は、デューイの産業社会論の歴史的・思想指摘読解により、彼の議論が有する独自性を検討するとともに、そこで深められた個性概念をめぐる洞察が彼の教育思想のなかでいかなる位置を占めるのかを明らかにすることを目指す。