Project/Area Number |
23K18876
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
:Education and related fields
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
竹田 琢 青山学院大学, 国際マネジメント研究科, 助手 (10980188)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | グループワーク / 雑談 / 会話分析 / 相互行為分析 / 全員参加 / 高等教育 |
Outline of Research at the Start |
大学をはじめとする学校教育では、学生の主体的な学びを促すためにグループワークが用いられている。グループワークではしばしば授業の本題とは関係のない雑談が行われているにも関わらず、雑談に焦点を当てたグループワーク研究はほとんど見られず、その解明には至っていない。そこで本研究では、会話分析の手法を用いて、分析上のノイズとして扱われてきた雑談に焦点を当て、学習者がグループワークにおける雑談を通じて何を達成しているのかを検討し、雑談の機能を明らかにする。加えて、教員が介入すべき雑談と介入すべきではない雑談の特徴を示し、教員の視点から介入すべき雑談と介入すべきではない雑談の区別を可能にする方法を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、会話分析の手法を用いて分析上のノイズとして扱われてきた雑談に焦点を当て、学習者がグループワークにおける雑談を通じて何を達成しているのかを検討し、雑談の機能を明らかにすることである。さらに教員が適切にグループワーク中の雑談に介入できるよう、介入すべき雑談と介入すべきではない雑談の特徴を明らかにする。これにより、グループワークを用いた授業やワークショップに関する研究や教育実践研究に貢献することが可能になると考える。 2023年度は国内の学会発表を2件行った((1)「グループワークにおける雑談の機能に関する検討」, 日本教育工学会 2023年秋季全国大会(第43回), 京都テルサ/オンライン 2023年9月15日、(2)「大学生のリフレクション活動はどのように達成されるのか」, 相互行為上の課題に着目して 日本質的心理学会 第20回大会 立命館大学大阪いばらきキャンパス 2023年11月4日))。また、収集したデータについて会話分析の手法を用いてシングルケース分析を行った学術論文が「質的心理学研究」に掲載された(「学生は雑談することによって何をしているのか?ー授業内グループワークにおける雑談の相互行為分析」, 質的心理学研究, 23(Special), 2024年3月)。分析の結果、学生は雑談することで志向を共有し、全員で新たな話題に参加していることが明らかになった。学生はグループワークを全員が参加できるものにするために雑談を利用している可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度はグループワーク中の雑談の機能に関する分析を行う計画であった。収集した20グループ分の大学生のグループワークの映像・音声データを、雑談に焦点を当て分析を行った。雑談を「教員が提示した話し合いの課題から逸脱した会話」と定義した上で、該当するシークエンスを抜き出し、トランスクリプトを作成し、分析を行った。分析結果は査読付き雑誌に掲載されたため、概ね順調に進展していると言える。一方で、現在はシングルケース分析を行ったのみである。よって今後は、焦点を当てている雑談の前後のデータコレクションを作成し、より精緻な分析を行う。 また、本研究は当初の実施計画よりも早く分析を進めることができたため、2024年度に必要な金額を前倒しで利用した。具体的には文献の購入、今年度の進捗状況により追加で行った学会発表に関する旅費、また科研費申請時の見積額より一部物品(ICレコーダー、ビデオカメラ等)の価格上昇の影響からも交付予定額の前倒し使用を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在はシングルケース分析を行ったのみである。よって2024年度は焦点を当てている雑談の前後のデータコレクションを作成し、より精緻な分析を行い、介入すべき雑談と介入すべきではない雑談を区別できるよう、その特徴を明らかにする。現在観察したデータの中には、一度雑談が始まってしまうとグループワークの終了時間まで雑談を継続する事例も存在した。このように、話し合いの本来の課題に戻ることがないような長時間の雑談にはいかなる特徴があるのかについて検討する。具体的には、1)グループワークの開始部、2)話し合いの秩序がトランジションする部、3)終了部の位置に注目して分析を行う。また、すでに20グループ分のデータを収集しているが、引き続き、データの収集を行う。 研究を推進するために定期的に学会発表及び論文投稿を行う。すでに学会発表を1件申し込んでいるが、2024年度内に国内の査読誌に1件の論文投稿を目指す。そのため複数の研究会に参加し、他研究機関の研究者とディスカッションを行いながら分析を進めていく。
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