Project/Area Number |
23K18893
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
:Education and related fields
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Research Institution | National Institute for School Teachers and Staff Development |
Principal Investigator |
奥田 修史 独立行政法人教職員支援機構(事業部事業企画課), 事業部事業企画課, 研修特別研究員 (30983506)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 教員養成 / 幼小接続 / アメリカ / 教員の専門性 / カリキュラム |
Outline of Research at the Start |
アメリカでは、世紀転換期に公立幼稚園が小学校内部に併設される形で普及した。これに伴って、別々に行われていた幼稚園教員養成と小学校教員養成は再編され、幼稚園(kindergarten)から小学校低学年(primary grades)までの時期(幼小接続期)に焦点化した教員養成が展開した。しかし、各教員養成機関における養成カリキュラム改革の実態は十分に明らかでない。 本研究では、当時の教員養成機関における養成カリキュラム改革をめぐる論議とその展開を明らかにする。これを通じて、学校種別を前提とした日本の教員の専門性論を相対化し、幼小接続期に焦点化した教員の専門性を考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
まず、1920年代のアメリカにおいて、幼小接続期に焦点化した教員養成カリキュラム改革を展開したウィスコンシン州立ミルウォーキー師範学校に着目し、同校において実施されていた従来の幼稚園教員養成、小学校教員養成の実態、およびそれらの再編の様相について分析を行った。まず、国内外の図書館を通じて、当時の改革に影響を与えたウィスコンシン州立師範学校理事会長官のキトル(Kittle, W.)の執筆資料を複数入手した。また、2024年2月から3月には、ウィスコンシン州立大学図書館およびイェール大学図書館を訪問し、国内では入手不可能な史資料を多数入手した。 分析の結果、当時のウィスコンシン州立ミルウォーキー師範学校では、ティーチャーズ・カレッジへの「昇格」動向を背景にしながら、幼小接続期に焦点化した教員養成へと再編を図っていたことが明らかとなった。まず、幼小接続期に焦点化した教員養成課程成立以前に4年制への年限延長が図られたことで、幼稚園教員養成では教職専門教育にやや重点を、小学校低学年教員養成では教科専門教育にやや重点を置いたカリキュラム構成となったこと、その後、両者は再編されるが、学問的水準を確保するため、各教員養成課程に共通の必修科目群が設定されていた。 また、当時の改革動向の背景として、幼稚園教育や幼小接続期教育に対する教育長や小学校教育関係者の認識を、当時の質問紙調査結果の二次分析から明らかにした。分析の結果、幼稚園教育を、家庭教育の補完と捉える向き、小学校への準備教育と捉える向き、子どもの能力向上のための教育と捉える向きなどが複雑に絡み合っていること、これらに応じて、経済的に厳しい家庭に向けた教育、幼稚園における小学校準備クラスの設置、小学校における遊びを意識した活動の導入、などが提言されていた。 本研究結果に基づき、史資料の分析結果を追加して、今後論文化する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスによる渡航制限が緩和され、米国図書館にて調査を行うことが可能となり、国内では入手の困難な史資料を多数収集することができた。また、ミルウォーキー師範学校の当時の教員養成改革の展開を検討した当時の博士論文や関連文献を複数入手することができ、本研究の分析枠組および研究課題を改めて捉え直し、今後の研究の方向性を見通すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず、当時の幼小接続期に焦点化した教員養成改革の展開を分析した博士論文および当時のミルウォーキー師範学校の教員養成カリキュラム改革を分析した博士論文を史資料として検討し、同校のカリキュラム改革を分析する枠組みを構築する。並行して、当時の小学校教育関係者による幼稚園教育をめぐる期待や課題認識に対して、幼稚園教育関係者がどのように応答したか、そのうえで教員養成の改革動向にどのようにつながったのか、史資料に基づいて検討する。 上記の研究作業に取り組み、論文として発表する。
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