Project/Area Number |
23K18910
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
:Education and related fields
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Research Institution | Asahikawa City University |
Principal Investigator |
山崎 智仁 旭川市立大学, 経済学部, 助教 (10984099)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | AI / ICT / 知的障害 / 特別支援教育 / 人工知能 / 特別支援学校 |
Outline of Research at the Start |
知的障害児が生成AIを活用することは、障害特性による困りの改善や余暇活動の広がり等につながる可能性が考えられる。一方、知的障害児が生成AIを活用するには、適切なプロンプトの作成や真偽の見極め等の課題が考えられる。そこで、本研究では①全国の知的障害特別支援学校を対象に、知的障害児がAIを活用した教育実践についての実施状況や教師の意識に関する調査を行う。それに併せ、②特別支援学校における知的障害児が生成AIを活用する教育実践と評価を行う。全国調査の結果と教育実践の評価を分析することで、知的障害児が生成AIを活用するために必要な支援方法や課題、生成AIの活用に関する教育的効果等を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では知的障害特別支援学校を対象として、①知的障害児がAIを活用している実情を把握するとともに、教師がAIに期待している教育的効果やAI活用における課題等を明らかにすること、②生成AIを活用するための学習活動や支援ツール等の検討を行い、実施上の具体的な課題を明らかにすることを目的とした。①に関しては、知的障害を主な対象とする国立大学附属特別支援学校を対象にAI活用に関する現状と課題について予備調査を実施することができた。予備調査の結果、AIを活用した教育や教材作成を実施している学校は30.8%であった。また、AIを活用した校務を実施している学校は15.4%であった。学校におけるAI活用の利点として、「校務の効率化」の回答が最も多く、働き方改革への施策の一つとして教師が期待していることが分かった。一方、教育や校務におけるAI活用の課題については、教員のAIに関する知識やスキル不足が多く挙げられた。今後は専門家と連携を図り、教員のAIに関する知識やスキルの向上を図ることが重要であると考えられた。②に関しては、知的障害特別支援学校2校を対象として、生成AIを活用した教育実践を行った。中学部における国語科の教育実践では、生成AIとその他の情報収集手段のメリットとデメリットに気付くことができるように支援を行った。その結果、生徒が主体的に生成AIを活用し、内容を要約したり、平仮名表記にしたりすることで情報を適切に獲得できるようになった。知的障害児が情報を獲得する上で、生成AIは一つの重要な手段になり得ることが示唆された。教育実践の結果の一部に関しては、学会発表を実施した。これらの研究から、知的障害児の生成AI活用に向けた支援方法に関して成果と課題を得ることができた。また、並行して情報モラル教育やプログラミング教育といったICTを有効に活用するための力を育む教育実践も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画では、令和5年度は全国の知的障害特別支援学校を対象にAI活用に関する現状と課題について調査を実施する予定であったが、知的障害を主な対象とする国立大学附属特別支援学校を対象にした予備調査に留まった。一方で、研究協力を得られた知的障害特別支援学校にて、知的障害児が生成AIを活用する教育実践を行うことができた。教育実践を通じて、生成AIが知的障害児の自立や社会参加を目指す上で重要な支援ツールになり得ることが明らかとなってきた。また、知的障害児が生成AIを活用するには、生成AIに的確な指示を出すためのプロンプトを作成する必要があり、そのための支援について研究協力校の教師と検討を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、全国の知的障害特別支援学校を対象にAI活用に関する現状と課題について本調査の実施を行う。調査結果から、知的障害児がAIを活用している実情を把握するとともに、教師がAIに期待している教育的効果やAI活用における課題等を明らかにする。また、研究協力校を増やし、知的障害児が生成AIを活用することで教育的効果が見込まれる教科学習や生活支援などの教育実践に取り組む。令和5年度から研究協力を得ている知的障害特別支援学校においては、知的障害児が生成AIを活用する教育活動のカリキュラムを作成する予定である。
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