Forming process of high school mathematics teachers' identity: Focusing on the relationship with problem solving
Project/Area Number |
23K18926
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
:Education and related fields
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Research Institution | Daiichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
森田 大輔 第一工科大学, 工学部, 助教 (40983325)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 数学教育 / 教師教育 / 高等学校 / アイデンティティ / 問題解決型授業 / 言説 |
Outline of Research at the Start |
高等学校数学科では、一方的に教え込む形式の授業が多く、生徒の資質・能力を育成する観点から問題視されている。その原因の1つに、「数学教師は自身の役割をどのように捉えているか」という数学教師のアイデンティティがあると考えられる。 そこで、本研究は、日本の高等学校数学教師のアイデンティティの形成過程を明らかにし、高等学校数学科における問題解決型授業の実現可能性を検証するための新たな分析視角を提示することを目的とする。日本の高等学校数学教師が有しているアイデンティティやその形成過程の特徴をインタビューから捉え、従来の研究とは異なるアプローチから高等学校数学科における問題解決型授業の実現を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,日本の高等学校数学教師のアイデンティティの形成過程を明らかにするとともに,高等学校数学科における問題解決型授業の実現可能性を検証するための新たな分析視角を提示することである。 2023年度は,主に先行研究のレビューを主とした理論的研究に従事した。まず,研究者がこれまで従事していたライフストーリー研究(個人のライフに焦点を合わせてその人自身の経験をもとにした語りから,自己の生活世界そして社会や文化の諸相や変動を全体的に読み解こうとする質的調査法)において重視されている「語り方」に着目し,教師教育研究において語り方に着目することの意義を,研究的意義・教育的意義の2点から明らかにし,日本科学教育学会第47回年会にて発表した。また,ミシェル・フーコーのポスト構造主義に着目し,日本の数学教師のアイデンティティを捉える理論的枠組みの構築を行い,日本数学教育学会第56回秋期研究大会にて発表した。さらに,フーコーのポスト構造主義における主要概念として位置づいている「言説」に着目し,一連の先行研究群から高等学校における数学学習に関する言説を抜き出し,整理・考察を行い,全国数学教育学会第59回研究発表会にて発表した。 また,インタビュー調査に基づいた実証的研究にも着手している。高等学校に勤務する若手数学教師1人にインタビュー調査を行った。ポスト構造主義における言説から派生し,イギリスの教育社会学者であるバジル・バーンスティンの理論に着目したことで,その教師の語りの特徴やアイデンティティの形成を明らかにすることができた。この成果は,九州数学教育学会令和5年度第2回研究発表会で報告をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビュー調査を通して,数学教師のアイデンティティの形成過程を看取るとともに,その教師の社会的背景を明らかにすることは,高等学校数学科における問題解決型授業の実現に向けたアプローチとして有用であると考えられる。理論的枠組みに関する検討は計画的にできている一方,その枠組みを精緻化するために必要なインタビューデータは十分に取ることができなかった。そのため,現在までの達成度を「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
実証的研究として,インタビュー調査の更なる実施が挙げられる。研究者は,教育現場での調査を実施するための人脈を複数有している。とりわけ,関東近県や九州南部の高等学校に勤務する数学科教員にインタビュー調査を行い,言説の観点から数学教師のアイデンティティやその社会的背景に対する考察を深めていく。 また,インタビューデータの分析を行いながら,理論的研究として理論的枠組みの精緻化や問題解決型授業の実現可能性を検証する分析視角の検討を行う予定である。とりわけ,バーンスティンの理論の観点から見た,数学教師のアイデンティティに対する考察が十分にできていないため,アイデンティティの形成過程を捉えるための分析手法や考察の観点を明らかにしていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)