Project/Area Number |
23K18927
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
:Education and related fields
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Research Institution | Senzoku Junior College of Childhood Education |
Principal Investigator |
篠沢 薫 洗足こども短期大学, 幼児教育保育科, 助教 (80634146)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | CLD幼児 / 萌芽的リテラシー活動 / 興味関心 / 音環境 / 絵本コーナー / 萌芽的リテラシー |
Outline of Research at the Start |
多様な文化的言語的背景をもつ幼児(Culturally and Linguistically Diverse Children : CLD幼児)の言語発達を支えるために、言語に関する興味関心や言語環境は重要である(Sun et al., 2023)。本研究では、音と文字をつなぐ経験をする場の一つである絵本コーナーにおける園の音環境の工夫がCLD幼児の萌芽的リテラシー活動に関する興味関心に及ぼす影響を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,園において音と文字をつなぐ経験を多くする場の一つである絵本コーナーを対象に,音環境の工夫がCLD幼児の萌芽的リテラシー活動に関する興味関心に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。 本年度の実績は以下のとおりである。多様な文化的言語的背景をもつ幼児(Culturally and Linguistically Diverse Children : CLD幼児)5名を対象に,園の絵本コーナーにおける吸音パーテーションの有無によるCLD幼児の萌芽的リテラシー活動の違いを検討した。パーテーション設置前後で対象児が絵本コーナーで過ごす時間を検討したところ,パーテーション設置後である介入期に増加するパターンIと,大きな変化のないパターンIIに大別された。パターンIの対象児2名は,パーテーション設置前であるベースライン期にこの絵本コーナーで過ごすことはなかったが,介入期には毎回絵本コーナーで過ごし,他児が行う絵本の読み聞かせを聞いたりした。パターンIIの対象児3名は,介入によらず絵本コーナーで過ごすことがあった。また,対象児の担任保育士への質問紙および聞き取り調査より,パターンⅠの2名は日中にも自分で絵本を眺める,パターンⅡのうち2名は絵本の絵を見ることは好む,1名は絵本を眺めて内容を話すことがある,という回答があった。絵本コーナーにおける吸音パーテーションの設置は,絵本を一人でも眺めようというくらい興味が出始めたCLD幼児に対して,その興味をさらに深める契機となる可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は園でのデータ収集を進め,全12回のデータ収集を終えた。全12回のうち6回分の観察データに基づき,園の絵本コーナーにおける吸音パーテーションの有無によるCLD幼児の萌芽的リテラシー活動の違いについて分析を進めた。 現在までの研究成果は以下の通りである。園の絵本コーナーでの吸音パーテーションの有無によるCLD幼児の萌芽的リテラシー活動の違いについて検討した。その結果,6回分(約3ヵ月間)のデータより,パーテーション設置前後で対象児が絵本コーナーで過ごす時間について,介入期に増加するパターンIと大きな変化のないパターンIIに大別された。以上の結果を日本教育心理学会第66回総会にて発表する予定である。今後は,この結果について縦断的変化がみられるのかどうかを全6ヵ月間のデータ分析により検証し成果を発表する。また,上述した検討結果をふまえ本研究課題に関わる総合的な考察を行っていく。こうした総合的な考察により得られた結果については,今後も研究報告を行う予定である。 以上のように,研究課題の最終年度に向けて分析を進めている。こうしたことから,当初の研究目的に沿った研究の進行は概ね順調になされていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は以下の通りである。2024年度は本研究課題の最終年度として,園の絵本コーナーにおける音環境の工夫がCLD幼児の萌芽的リテラシー活動に関する興味関心に及ぼす影響について,収集した全データを総括し,総合的な考察を行う。観察データについては,CLD幼児の萌芽的リテラシー活動に関して縦断的に検討し,その変化を明らかにする。また,保育者,保護者からの質問紙および聞き取り調査の結果についても分析して考察に含めていく。これらをふまえ,絵本コーナーにおける音環境の工夫がCLD幼児の萌芽的リテラシー活動に関する興味関心に及ぼす影響について総合的に考察し,具体的な影響について仮説を報告する予定である。
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