Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
ヒトの知覚している世界は注意による情報選択によって成されており,知覚経験そのものが注意によって変調しうるが,その背景にある脳内メカニズムについては未だ明らかにされていない。本申請では,近年視知覚において注目を集めているフィードフォワード処理とフィードバック処理による再回帰処理の脳内モデルを取り入れることで,注意による知覚変調過程を詳細に検討し,主観的な知覚体験を形作る注意機構の理解を目指す。具体的には,フィードバック処理に関わる逆向マスキングと,空間的注意を測る空間的手がかり課題を用いて,注意による知覚変調効果が視覚処理のどのタイミングで生じるのかを心理物理実験から検討する。