Project/Area Number |
23K18990
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0110:Psychology and related fields
|
Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
杉山 智風 京都橘大学, 総合心理学部, 助教C (90978868)
|
Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 高校生 / 予防 / 精神疾患 / ストレス / 学校 |
Outline of Research at the Start |
高校の学習指導要領に「精神疾患の予防と回復」の単元が導入されたが、学習到達度を客観的に評価する手立ては確立されていない。そこで本研究では、「精神疾患の予防と回復」の学習到達度を評価するために、高校生が習得すべき「精神疾患の予防と回復」に関するコンピテンス(知識や技能)を整理し、それに基づく習得度チェックリストを開発する。さらに、このチェックリストに基づいたストレスマネジメントを実施し、その有効性と活用可能性を検討する。このチェックリストを用いて生徒の習得度を生徒と教師が共有することで、現在や卒業後の長期的な支援が可能になると期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、「精神疾患の予防と回復」に関するコンピテンスを整理し、習得度チェックリストの作成を行った(研究1)。まず、これまでに学校教育現場で行われたストレスマネジメント実践を網羅的にレビューし、8要素に集約できることを確認した。そのうえで、これら8要素を習得するために具体的な知識や技能の整理を行い、その内容に準じた項目を作成した。項目の作成に際して、臨床心理学の専門家や高校教諭などから幅広く意見やご指導をいただくなかで、「精神疾患の予防と回復」の授業で扱うべき指導内容が明確になったこと、生徒が習得度を振り返りやすいこと、また習得度について教員と生徒が客観的共有することが可能であること、といった高い評価をいただいた。チェックリストは現在、日本ストレスマネジメント学会が発刊するストレスマネジメント研究の投稿に向けて準備を進めている。 また、本チェックリストに基づいたストレスマネジメント教育プログラムを開発および効果検証を行った(研究2)。複数の高校で実施済みおよび実施予定であり、その成果の一部は、33rd International Congress of Psychology(チェコ・プラハ)にて発表予定であり、すでに採択済みである。また、今年度の日本認知行動療法学会での発表に向けて、審査中である。 さらに、チェックリストの活用とそれに基づくストレスマネジメント実践が広く活用されることを目指して、映像化したプログラムを遠隔で実施するための予備的検討として中学生を対象として、対面で実施した条件との効果比較を行った(研究3)。知識の獲得に関する有効性を確認することができた。この成果については、Journal of Psychologists and Counsellors in Schoolsに投稿し、すでに採択済みである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の進捗は、概ね順調であるといえる。 まず、研究1の「精神疾患の予防と回復」習得度チェックリストはすでに整っており、ストレスマネジメント研究への投稿に向けて準備を進めている段階である。 研究2では、当初研究協力を予定していた一部の高校にて調査の実施が不可になるなどといった想定外の事態があったものの、その他の複数地域の高校においては順調に実施できている。いずれの高校においても、介入前にチェックリストを実施した結果に基づき介入内容を選定するといった手続きをとることで、ストレス予防に寄与する結果が示唆されている。すでに収集したデータの一部は結果をとりまとめ、今年度の33rd International Congress of Psychology(チェコ・プラハ)や日本認知・行動療法学会にて発表を予定している。 研究3では、映像介入群と対面介入群で効果検証を行うため、複数地域の高校に研究協力依頼を行っている段階である。すでに中学生を対象とした予備調査において有効性は確認済みであり、その成果はJournal of Psychologists and Counsellors in Schoolsに採択されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究1については、学会誌への投稿に向けて、引き続き準備を行っていく。 研究2については、フォローアップ調査を実施中の高校もあるため、引き続き、データの取りまとめと解析に取り組む予定である。また、国内外の学会にて成果を発表予定であるため、その準備と、いただいたご意見を論文執筆に際して反映させていくことを考えている。また、実施した高校への結果のフィードバック等も引き続き行っていく。 研究3については、引き続き研究協力が得られる高校のリクルートを行う予定である。もし十分なサンプル数が確保できない場合には、日本ストレスマネジメント学会教育・特殊教育部会から協力を得られることの内諾を得ている。
|