Project/Area Number |
23K19004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0201:Algebra, geometry, analysis, applied mathematics,and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 隆子 東北大学, 工学研究科, 学術研究員 (00966418)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 量子ウォーク / 非エルミート / スペクトル / 極限定理 / 確率分布 / トポロジカル絶縁体 / 量子アルゴリズム |
Outline of Research at the Start |
量子ウォークを用いたトポロジカル絶縁体の研究が活発に行われている.特に,最近では,理論・応用双方の重要性から,非ユニタリ量子ウォークを用いた開放量子系の研究が着目されている.本研究では,トポロジカル絶縁体との対応が期待される非ユニタリ量子ウォークの漸近挙動の解析を行う.まず,非ユニタリ量子ウォークのダイナミクスとしての極限分布に対する極限定理の構成を目指す.続いて,非ユニタリ量子ウォークとトポロジカル絶縁体の具体的な対応関係を模索するため,トポロジカル絶縁体の研究で用いられる基礎理論や実験結果などを踏まえ,非ユニタリ量子ウォークの極限挙動を解釈する.
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Outline of Annual Research Achievements |
量子ウォークという量子系の数理モデルを用いたトポロジカル絶縁体の研究が活発である。特に、最近では、 理論・応用双方の重要性から、非ユニタリ量子ウォークを用いた開放量子系の研究が着目されている。 本研究では、トポロジカル絶縁体との対応が期待される非ユニタリ量子ウォークの漸近挙動の解析を行った。量子コンピュータが注目されている現在、ノイズや熱流がある環境下(開放量子系)で量子ビット演算を行うことを想定する必要がある。さらに、非ユニタリ量子ウォ―クの研究は、量子コンピュータのデバイス間の効率よく安定した新たな情報伝達手法の構築や新しいレーザー発振器の発明などにも貢献すると期待される。しかしながら、非ユニタリな振舞をする量子ウォークはユニタリ量子ウォークとは違い、一般に確率の保存が成り立たず、従来の解析手法がそのまま使えないことが危惧された。 本年度は、まず、転送行列法やmathematica、 pythonなど数値解析を用いて、非ユニタリ量子ウォークのスペクトルの全貌を明らかにした。さらに、非正規作用素に対するスペクトル理論などを駆使し、ダイナミクスとしての極限分布に対する極限定理(長時間平均極限定理と弱収束極限定理)の構成を試みた。 関連する論文4編を査読付国際誌に投稿し、現在も新たな論文を執筆中である。尚、本研究は、スペクトル理論の専門家である鈴木章斗氏(小松大学)らのグループと共同で進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究を進めていくうちに、新たな見地・成果を多々得ることが出来、論文を3本も投稿することが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究で扱っている非ユニタリ量子ウォークの極限定理の完成をまずは目標とする。続いて、トポロジカル絶縁体の理論を用いて,非ユニタリ量子ウォークとトポロジカル絶縁体の関係を調べる。トポロジカル量子論から量子ウォークの漸近挙動を観察することは、量子ウォークの応用の観点からも非常に重要である.本研究課題は,非ユニタリ量子ウォークの極限分布を数学的に解析するだけでなく,トポロジカル絶縁体を用いて非ユニタリ量子ウォークの特徴付けを行うという特色をもつ. 余力があれば、非ユニタリ量子ウォークの解析手法をまとめたい。
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