Project/Area Number |
23K19006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0201:Algebra, geometry, analysis, applied mathematics,and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
若月 駿 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 特任助教 (90983130)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ホモトピー論 / 計算機 / 有理ホモトピー論 / 独立複体 / 射影分解 / ストリングトポロジー |
Outline of Research at the Start |
多様体などの位相空間は位相幾何学における重要な研究対象であるが,連続的な対象であるために直接取り扱うことは難しく,特に計算機に載せることは困難である.その一方で代数的位相幾何学という分野では,位相空間の連続的な情報を(線形)代数的な情報や組み合わせ的な情報へと帰着して研究を行うため,これを介することで計算機に載せることが可能となる.本研究では,そのためのソフトウェアを開発するとともに,ソフトウェアを実際に活用して数学的な成果を得ることを目的にしている.具体的には,有理ホモトピー論を用いた写像空間の研究と,独立複体のホモトピー型の研究を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
多様体などの位相空間は位相幾何学における重要な研究対象であるが,連続的な対象であるために直接取り扱うことは難しく,特に計算機に載せることは困難である.その一方で代数的位相幾何学という分野では,位相空間の連続的な情報を(線形)代数的な情報や組み合わせ的な情報へと帰着して研究を行うため,これを介することで計算機に載せることが可能となる.本研究では,そのためのソフトウェアを開発するとともに,ソフトウェアを実際に活用して数学的な成果を得ることを目的にしている. 本年度の研究ではまず,グラフの独立複体のホモトピー型の研究の応用として,支配複体と近傍複体のホモトピー型について研究を行った.その成果として,組合せ論的Alexander双対を用いることで支配複体と近傍複体,支配複体と独立複体がそれぞれ関連づくことが分かった.特に近傍複体のホモトピー型はグラフの彩色数と関係していることが知られているため,独立複体に関する知見を活用して近傍複体のホモトピー型を調べることは重要となる.そこで,コンピュータによる計算も活用し,ある種のグラフに対してこれらのホモトピー型の決定を行った. また,これまで開発してきたソフトウェアの新たな応用として,射影分解の具体的計算を行うための機能を開発した.有限群や有限モノイドの分類空間は無限次元の空間であり,複雑な対象となっているが,ホモロジー代数的手法とともにこのソフトウェアを活用することで,コンピューターで取り扱うことが可能となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
松下氏とのこれまでの共同研究においては,いくつかのグラフに対してその独立複体のホモトピー型を調べるだけに留まっていたが,本年度の研究では新たに支配複体や近傍複体,そしてグラフの彩色数との関係が示された.さらに本研究の手法を用いることで,ある種のグラフに対してこれらのホモトピー型を決定することに成功したため,本研究の手法の有効性が示されたと言える. また,射影分解の具体的計算のために開発したソフトウェアについても,有効なものであることが現時点で分かっている.特に有限モノイドの分類空間のホモロジーについて,これまで知られていなかった現象や具体例がこのソフトウェアを活用することで得られている.計算自体が非常に煩雑であることに加えて,具体例の探索範囲が非常に広かったため,これらを手計算で発見することは困難であったと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
まずは,独立複体のホモトピー型について,支配複体や近傍複体と関連づけて研究を行う.本年度の研究において,これらのホモトピー型が関係していることが示されている.そこで,特に支配複体や近傍複体を新たにソフトウェア上に実装し,直接取り扱うことでこれらのホモトピー型について調べる. また,射影分解の具体的計算についても,ソフトウェアの機能の拡充を行う.特に有限モノイドのコホモロジーについて,現状ではコホモロジーの加群構造しか取り扱うことができていないことが問題となっている.有限モノイドの分類空間のホモトピー型を調べる際には,コホモロジーの環構造を調べることが重要であるため,まずはこれをコンピューターで計算すると効率的に研究を行うことができると期待している.
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