Project/Area Number |
23K19011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0201:Algebra, geometry, analysis, applied mathematics,and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤井 幹大 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 助教 (70984954)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 回転浅水波方程式 / 線形解析 / 漸近展開 / 長時間挙動 / 特異極限問題 / 圧縮性回転粘性流体 / 臨界Besov空間 / 時間大域的適切性 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,圧縮性回転Navier--Stokes方程式や回転浅水波方程式を対象として,その時間大域的適切性の証明や解の長時間挙動にかかる時間減衰率の特定を行うことを目的とする.回転と密度変化の相互作用により現れる低周波部分での困難点を,エネルギー法,振動積分に対する停留位相法,固有周波数の漸近展開などの幅広い解析手法を総合的に援用することで解決する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は2次元流に対する偏微分方程式の一つである回転浅水波方程式の強解について考察するものである.2023年度の研究では,回転浅水波方程式の線形化問題に着目した解析を実行した.結果として,線形解の漸近的な解表示とその各種評価の導出に成功した.本方程式では,固有周波数が因数分解しずらく複数のパラメータを有する三次方程式に従う.そこで固有周波数の情報を得るために三次方程式の解公式を用いて複雑ながらも固有周波数の具体的な表示を計算した.さらにその低周波部分での主要部を零周波数周りのテイラー展開により特定することで,固有周波数の単純な漸近的解表示を導出した.この漸近的表示を用いて周波数側での各点評価を計算することにより,線形解の主要部の時刻無限大での漸近挙動は,二乗可積分空間のノルムにおいて,熱核より遅い時間減衰をする4階の消散性を持つ半群のように振る舞うことがわかった.これは回転項が0階の線形作用素であることに起因しており,研究開始時に予想していた結果を厳密に定式化できたと考えている.また線形解に現れる分散性を呈する部分についてそのStrichartz型時空間積分評価を導出し,Froude数とMach数を0とする極限において浅水波方程式の線形解が準地衡流方程式の線形解にStrichartz型時空間積分の意味で強収束することを示した.
また,2次元流に対する関連研究として,全平面上における非圧縮性Navier--Stokes方程式の時間周期解の非可解性を臨界Besov空間の枠組みで証明した.さらに,一様流周りにおける全平面上の非圧縮性定常Navier--Stokes方程式の可解性を異方的臨界Besov空間の枠組みで証明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始時に予定していた通り,2023年度中に線形化方程式の解の長時間挙動や特異極限問題について解析をまとめることができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は2023年度中に得られた線形段階での解析を非線形問題に応用する.初めの課題として臨界Besov空間における時間大域解の構成を実行する.これは二乗可積分空間を基礎としたBesov空間における線形解の最大正則性評価が既に得られているため,臨界空間における双線形評価を援用して解の大域的アプリオリ評価を導出することで証明する.また,線形解の長時間挙動の結果から,非線形解の時刻無限大における漸近展開を導出する.さらに,Froude数とMach数を0とする特異極限問題についても考察し,回転浅水波方程式の時間大域解が準地衡流方程式の解にStrichartz型時空間ノルムの意味で強収束することを証明する.
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