Project/Area Number |
23K19019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0201:Algebra, geometry, analysis, applied mathematics,and related fields
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
田中 智之 同志社大学, 理工学部, 助教 (40891304)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 非線形分散型方程式 / 初期値問題の適切性 / シュレディンガー方程式 / KdV方程式 / 分散型方程式 / 無条件一意性 / Strichartz方程式 |
Outline of Research at the Start |
一般化KdV方程式をはじめとする非線形項に微分を持つ分散型方程式に対する、初期値問題の適切性と無条件一意性を考える。非共鳴な非線形相互作用については、解の振動を用いて微分の損失の解消が期待できるが、共鳴な相互作用については、未解明な点が多い。本研究では、共鳴な相互作用の解析に焦点をあて、縮小写像の原理の適用が困難な設定での解析法を確立することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
微分型非線形シュレディンガー方程式(DNLS)の初期値問題を研究した。特に、遠方で減衰しないような関数の周りでの適切性を研究した。本研究では非線形項を、divergence formに限定しない一般的な形で扱った。DNLSのエネルギー空間H^1での初期値問題の適切性を証明した。また、さらに低い正則性での適切性も示すことができた。非線形項の共鳴な相互作用は、ストリッカーツ型の評価を用いて微分の損失を解消した。非共鳴な相互作用は、部分積分に相当する手法によって処理をした。考える方程式は、divergence formに限定していないため、いくつかの困難が生じた。負のソボレフ空間での関数の積の評価からくる制限により、解の差の評価を標準的な議論よりも高いところで行った。この場合、解の差に対する微分の損失は起こらないが、解単体に微分の損失が生じる。これを解消するために、エネルギーに補正項を加えて評価を行なった。このとき、周波数が非常に低いところで特異性が発生するため、エネルギーの主要部の、ノルムの低周波成分を修正した。 一般化KdV型方程式(gKdV)の初期値問題の適切性を研究した。方程式の線形部分は、KdV方程式(3階)とベンジャミンー小野方程式(2階)の間を取るようなものを考えた。これまでの研究では、gKdVの適切性を周期境界条件下で考えた。本研究では、実軸上で考察した。評価が最も難しいのは、周期境界条件下の場合と同様で、共鳴な非線形相互作用である。一方で、周期境界条件下では困難を引き起こす項が、実軸上では現れないため、双線形ストリッカーツ評価を繰り返し用いることができることがわかった。この繰り返し用いるというステップで、非線形項の精密な解析を行なった。得られた結果として、方程式の線形部分が2階よりも大きい場合は周期境界条件下での適切性の結果よりも低い正則性で適切性を証明できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DNLSの初期値問題の適切性の研究では、当初の計画通りの成果が得られた。また、双線形ストリッカーツ評価の応用についていくつかの進展があった。特に、周期境界条件下では評価を困難にする項が実軸上では現れないため、実軸上での共鳴な相互作用に対するより詳しい取り扱いが可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
DNLSの研究では、遠方で減衰しない解についての文献調査を行い、本研究の主結果との関連性の検証を行いたい。gKdVの研究では、扱える方程式のモデルが、先行研究よりも狭いクラスとなっている。先行研究と同じクラスの方程式まで扱えるようにするために、ベースとなるストリッカーツ評価を広いクラスの作用素にまで拡張し、非線形項の評価も改良したい。また、本研究で開発した手法を用いて、KP-I方程式など、多次元の方程式を研究していきたい。
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