Project/Area Number |
23K19033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0202:Condensed matter physics, plasma science, nuclear engineering, earth resources engineering, energy engineering, and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森下 侑哉 京都大学, 工学研究科, 助教 (70981869)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 核融合プラズマ / データ同化 / 統合シミュレーション / 乱流輸送 |
Outline of Research at the Start |
核融合プラズマの挙動の予測・解析において、乱流輸送モデルはプラズマの密度・温度分布の時間発展を決定する重要な要素であるが、多くの放電データを同時に再現できるようなモデルは未だ確立されていない。そこで本研究では、多数の放電データに共通する性質を抽出し、物理モデルを構築する手法をデータ同化の技術に基づいて確立し、大型ヘリカル装置に蓄積された多数の放電データを用いて、高性能な乱流輸送モデルの開発を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、(1)データ同化による乱流輸送モデルの推定を行うためのベースとなる物理モデルの導入,(2)モデル推定を行うためのデータ同化手法の実装,(3)データ同化を応用した適応予測制御システムの開発を行った. (1)共同研究者と議論を進め,データ同化による最適化を行うためのベースとなる乱流モデルとして,ゾーナルフローとドリフト波の間でのエネルギーのやり取りを扱うことができる乱流モデルを統合輸送シミュレーションコードTASK3Dに実装した.さらに,同化対象とする実験データについて議論を行い,対象データをシミュレーションできるようにコードを整備した. (2)開発中のデータ同化システムASTIについて,非線形性が強い推定問題にも対応できるデータ同化手法(粒子フィルタ)を実装するととともに,粒子フィルタの問題点である退化(確率分布を近似するためのアンサンブルのばらつきが小さくなり,推定が機能しなくなる)に対処するためのハイパーパラメータ(ノイズ分散)調整手法を開発した.さらに多数の放電データを同時に用いてモデル推定を行うデータ同化手法の開発を行った. (3)データ同化による解析・予測・制御を統一したフレームワークについて論文および解説記事にまとめ,発表した.また,2022年度に実施した大型ヘリカル装置(LHD)でのASTIを活用した制御実験について,実験データを解析し結果を論文にまとめた.さらに,実験データを用いて,電子サイクロトロン共鳴加熱(ECH)でのプラズマ挙動の予測に最適な乱流輸送モデルの推定を行った.制御実験の結果を踏まえて制御アルゴリズムの改良を行い,構築した乱流モデルを活用した予測制御実験に向けて制御システムを整備した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多数の放電データから共通する性質を抽出し乱流輸送モデルを推定するという本研究の目的に対して,データ同化手法の拡張およびベースとなる物理モデルの検討・実装が完了し、乱流モデル推定への準備が整った.シミュレーションコードを用いた人工データによる推定能力の検証も令和5年度中に実施することを予定していたが,これはまだ実施できていない.そのため,本年度までの進捗状況はおおむね順調であるとした.本研究で構築したモデルを活用した予測制御システムについて,過去の制御実験データを用いた輸送モデルの推定や制御アルゴリズムの改良を行うことができ,当初の予定にない成果も多数得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は乱流モデル推定に移る.LHDの実験データベースにある放電データを対象に,本年度導入した乱流輸送モデルについて,時間発展を決める実空間および波数空間のパラメータ推定を行う.はじめは50放電程度を対象に同化し,状況に応じて対象とするプラズマのパラメータやベースとなるモデルを拡張するとともに,放電数を増やしていく.状況に応じて,データ同化手法(フィルタ)やハイパーパラメータ調整手法の再検討を行う.また,同化していない放電データを対象にモデルの予測能力を調べる.パラメータ最適化と同時に,同化時の予測誤差やパラメータ調整量に基づいて物理モデルの有効範囲を明らかにし,それに対応する物理的解釈も行う.さらに,構築したモデルを活用した予測制御システムの開発も進め, 表現能力(適応能力)と予測能力が高い核融合プラズマのデジタルツインの構築を目指す.
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