Project/Area Number |
23K19044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0203:Particle-, nuclear-, astro-physics, and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川田 七海 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 特任助教 (50981396)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ニュートリノ / 素粒子 / ニューラルネットワーク / 機械学習 / 地球科学 / 素粒子実験 / 地球惑星物質 |
Outline of Research at the Start |
地球ニュートリノは地球内部の放射性物質から発生する反電子ニュートリノで、その観測は地球内部の熱や化学組成を直接検証する唯一の手段である。現状最高精度で観測しているカムランド実験が2022年に発表した最新結果では、地球ニュートリノ観測結果との比較から、地震波観測に基づく従来のマントル対流モデルを棄却し、マントルが複数層の対流構造を持つことを決定づけた。本研究ではニューラルネットワークを用いた新たな事象再構成ツールを開発し、検出器外部からのガンマ線に由来する背景事象を低減することで地球ニュートリノ観測精度をさらに向上する。これにより地球モデルを検証し、地球を形成した隕石について解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、現状最高精度で地球ニュートリノを観測しているカムランド実験に対してニューラルネットワークを用いる新たな事象再構成を適用し、地球ニュートリノ信号の背景事象となる検出器外部からのガンマ線背景事象を解析的に除去することを目指す。 本研究の要となるニューラルネットワークの教師データセットとして、検出器シミュレータを作成した。多数のパラメータの同時最適化に適したフレームワークOptunaを活用し、GEANT4に基づくカムランド検出器シミュレーションツールを元に検出器応答の最適化を行なった。放射線源キャリブレーションの観測データを完全に再現するには至らないものの、今後、ニューラルネットワークの開発進展に合わせて更なる最適化を行う見通しである。 また、当初予定していたグラフニューラルネットワークによる粒子識別に加えて、決定木モデル機械学習を用いた反電子ニュートリノによる逆ベータ崩壊反応と偶発同時計測事象の弁別にも取り組み、従来の尤度関数法による弁別より高い信号利得が得られることを確認した。 今後は、今年度に調達したGPU計算資源を活用し、今年度に開発した上記の枠組み(最適化フレームワークOptunaによる検出器シミュレータの調整、決定木モデル機械学習を活用した反電子ニュートリノ信号選定条件の改善、グラフニューラルネットワークを活用した粒子識別法による背景事象低減)の性能をさらに向上させる見通しである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の実施計画にある通り、最適化フレームワークOptunaによる検出器シミュレータの調整、背景事象低減のためのニューラルネットワークを用いた粒子識別などの枠組みの開発が進んでおり、加えて当初の計画には含まれていなかった決定木モデル機械学習による背景事象低減にも取り組んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に調達したGPU計算資源を活用し、今年度に開発した種々の枠組み(最適化フレームワークOptunaによる検出器シミュレータの調整、決定木モデルを活用した反電子ニュートリノ信号選定条件の改善、グラフニューラルネットワークを活用した粒子識別法による背景事象低減)の性能をさらに向上させる見通しである。
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