Study on high-energy particle physics with cosmological gravitational waves
Project/Area Number |
23K19048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0203:Particle-, nuclear-, astro-physics, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神野 隆介 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (80786898)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 重力波 / 原始ブラックホール / ソリトン / 一次相転移 |
Outline of Research at the Start |
人類は加速器実験を始めとした地上実験により高エネルギー素粒子物理を探査してきた。一方、近年の重力波観測の進展により、高エネルギー下にあった初期宇宙で生成した重力波を観測する可能性が現実味を帯びてきた。これは即ち、重力波観測と加速器実験による高エネルギー物理の探査が相補的な役割を果たす可能性を意味する。本研究では、高エネルギー物理を重力波によって解明する可能性について、「原始ブラックホール」「ソリトン」「一次相転移」といった高エネルギー物理を由来とする重力波源を念頭に置き、「非線形・非摂動効果」という軸を設定しそこからの重力波生成の理解を推進する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高エネルギー素粒子物理として「原始ブラックホール」「ソリトン」「一次相転移」を念頭に置き、そこからの重力波生成について、「非線形・非摂動効果」という軸を設定し理解を推進する。
本年度は原始ブラックホールに関して、その生成のシナリオと重力波による検証について研究成果を発表した。このシナリオでは、原始ブラックホールの存在によりその周囲に相転移が誘発され、相転移由来の泡の成長に伴って、さらに後の宇宙で別の原始ブラックホールが生成する。このシナリオがLISA・DECIGO等の重力波観測計画で検証可能であることを指摘し、論文として出版した。また、研究予定に記載した通り、インフラトンの挙動に関する確率形式がシュレディンガー形式に変換できる事実を用い、シュレディンガー形式において厳密に解ける系からインフラトンの確率形式に関する示唆を得る研究を同時に進めている。これに関しては部分的な結果を得ることに成功している。
本年度はソリトン・一次相転移に関しても研究を一部完成させた。ソリトンに関しては、素粒子標準理論のZボソン由来のソリトンが安定化する可能性を示唆した先行研究に着目し、そのような安定化が不可能である事実を指摘したプレプリントを公開した。一次相転移に関しては、宇宙背景放射からの制限がかかる事実を、転移時刻の二点相関関数を求める準解析的手法を用いて指摘しプレプリントとして公開した。また、重力波干渉計LISAにおける一次相転移由来の重力波の特定可能性に関する論文もプレプリントとして公開した。同時に、電弱相転移時に重要となるバウンスあるいはスファレロンの配位を求める新たな手法を公開し、論文として出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はおおむね順調に進展している。本年度は原始ブラックホールに関しその生成過程と重力波による検証について論文の出版を1つ完了した。また、インフラトンの挙動に関する確率形式がシュレディンガー形式に変換できる事実を用い、シュレディンガー形式において厳密に解ける系からインフラトンの確率形式に関する示唆を得る試みが部分的に成功している。ソリトンに関しては、素粒子標準理論のZボソン由来のソリトンが安定化する可能性を示唆した先行研究に着目し、そのような安定化が不可能である事実を指摘したプレプリントを公開した。また、一次相転移に関しては、電弱相転移時に重要となるスファレロン過程の配位を求める新たな手法を論文として出版した。同時に、宇宙背景放射からの制限がかかる事実を、転移時刻の二点相関関数を求める準解析的手法を用いて指摘し、プレプリントとして公開した。さらに、LISAにおける宇宙論的一次相転移からの背景重力波観測可能性を議論した結果もプレプリントとして公開している。順調に行けばこれらのプレプリント、および次年度のプレプリントが出版され、成果となる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である次年度は、原始ブラックホールに関し、初年度の結果を基に相関関数の発散の様子及びそのBorel変換の特異点分布を調べる。余裕があれば、spectator場を宇宙初期に実現されていた本来のセットアップに近いインフラトン場に格上げし、同様の特異点解析を行う。これにより非摂動的に大きな密度揺らぎの分布を議論しPBH生成・重力波への示唆を議論する。また、自発的対称性の破れを伴うポテンシャルの場合にも特異点構造を調べる。ソリトンと一次相転移に関しては、非自明な引力・斥力を持つソリトンの系に関し数値シミュレーションで性質を検証し、重力波への示唆を議論すると同時に、引力・斥力の解析的理解にも取り組む。また、一次相転移に関しては単一バブルの場合について流体コードと数値相対論のコードとを組み合わせ、特に高強度相転移の場合に重力の非線形な影響が重力波生成にどのような示唆を与えるか議論する。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)