Project/Area Number |
23K19054
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0203:Particle-, nuclear-, astro-physics, and related fields
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
地村 幹 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究職 (50986396)
|
Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 大強度加速器 / ビーム力学 / 空間電荷効果 / エミッタンス操作 / 電磁石 |
Outline of Research at the Start |
大出力の陽子ビームを供給する大強度陽子加速器は世界中で建設・稼働しており,理学・工学・医学などの幅広い分野の最先端実験や産業利用を支えている。大強度陽子加速器ではその強度ゆえに,ビームを高度に制御しなければ多数のビーム粒子を加速器中にばら撒いてしまう。本研究では,既存の方法に加えてビーム粒子に運動方向を揃える磁場を与えるという新たな観点から,先駆的なビーム輸送原理の確立を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
通常の加速器では線形磁場によってビーム収束を行うが,本研究では非線形磁場を加えることによってさらに高度なビーム輸送を実現する。ビーム自己場は一般に非線形場を含み,ビーム形状の変化の影響を受けるため,非線形磁場のみならず線形収束場の最適化も同時に行わなければ,非線形場を適用したことによる利点を享受することができない。以上により,本研究では線形収束系と非線形場を統合した最適なビーム輸送系を実現する一般的な方法を確立することを目的とする。よって,収束系最適化法の理論的確立及び実加速器への適用可能性の実証を行うことによって目標の達成を目指す。 令和5年度では,非線形ビーム力学に基づく解析計算と計算機を用いた数値計算によって,非線形場によるビーム輸送理論を対象とした研究を進めた。ビーム輸送路に非線形場を適用する際には,適切に非線形場の位置・強度・数を決定しなければ,非線形場を用いないビーム輸送よりもビーム品質を悪化させる可能性がある。これまで,これを解決するには総当たりによる最適値の発見をする他にない。よって,令和5年度における研究では,非線形場を含む自己場を受けながら運動するビームの運動方程式を提案し,その運動方程式を数値計算に実装した。さらに,既存のビーム計算コードと本数値計算プログラムの比較によってその有効性を実証した。以上の成果によって,非線形ビーム力学への学術的な寄与と,加速器のさらなる大強度の実現が期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度では,非線形場を受けながら運動するビームの運動方程式を提案した。さらに,計算機を用いた数値計算に実装することに成功し,期待した結果を得ることができた。以上から,令和5年度に達成された内容は,概ね研究計画に沿ったものであり,順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度には,令和5年度に行った理論モデルの特性理解を進め,新たな知見を得るとともに,実加速器への適用可能性の検討を進める。理論モデルからの要請から,既設のモニターから必要なビーム情報を抽出する手法を確立する。そこから,非線形ビーム輸送を行った場合にビームパラメータにどのような応答が得られるか検討し,ビームモニタに対する要請を明らかにする。
|