Project/Area Number |
23K19057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0203:Particle-, nuclear-, astro-physics, and related fields
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
都築 豊 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (80982793)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ガンマ線 / 偏光 / コンプトン散乱 / 原子核 / スピン |
Outline of Research at the Start |
原子核構造研究において、励起準位の核スピンの研究は、魔法数や核変形等への手がかりを与えるために重要である。 しかし、核スピンのガンマ線分光学的精密測定は技術的に困難とされてきており、現在までにわずかな核種において確定されているのみである。 それどころか、「核スピンとは何か?」という問いに回答するに足る量の実験事実さえ我々は手にしていない。 そこで申請者は、今日において長足の進歩を遂げつつある原子核加速器とコンプトン偏光計とを組み合わせ、いままで不可能であった短寿命の希少原子核に対するガンマ線偏光測定手法を確立し、核スピンの精密測定を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、原子核がもつ核スピンやパリティといった物理的性質の本質に迫るために、理化学研究所にある国内最大の原子核加速器と、世界屈指の偏光測定感度を持つコンプトン偏光計とを組み合わせることにより、希少原子核に対する高感度・高精度ガンマ線偏光測定手法を確立することである。 原理実証の一環として、テルル化カドミウム (CdTe) を用いた高感度コンプトン偏光計を使用した原子核脱励起ガンマ線の偏光測定実験が計画された。 実験は理化学研究所 (埼玉県和光市) のペレトロン陽子加速器を用いて計画され、加速した陽子によって鉄-56原子核を励起し、脱励起に伴って生じる0.85メガ電子ボルトのガンマ線の偏光度を測定することとした。 実験自体は昨年度遂行され、今年度はコンプトン偏光計による実験データの解析および論文化、並びに応用的な研究に取り組んだ。 その結果、(1) コンプトン偏光計を用いて原子核からのガンマ線の偏光度を高精度で測定可能であることが明らかとなった。さらに、(2) コンプトン偏光計の高い位置分解能を生かし、ガンマ線放出点の位置を高精度で特定可能な解析手法の開発につなげることができた。 これらの成果は、今後予定されるところの、高速で飛翔する短寿命希少原子核からの放射解析に向かう重要な一歩であると位置付けられる。 なお、(1) の成果は論文化され、Scientific Reports誌に掲載されたほか、各機関からプレスリリースを発表した。 (2) の成果は目下研究中であり、近く発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者に心身の不調があったため、研究の進捗に遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
これからの研究に関して重要な点は、コンプトン偏光計の位置分解能を最大限に引き出すデータ解析手法やアルゴリズムの開発であり、来年度に取り組む予定である。
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