Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
マグマ中の水の溶解度は、火山噴火のダイナミクスを強力に支配する重要な量であり、実験・理論の双方向から盛んに調べられてきた。しかし、溶解度や水の部分モル体積の測定値は従来の溶解度の理論式を満たさず、内部整合性が明らかに破綻している。本研究では、従来の理論がケイ酸塩と水の理想混合を仮定していることにこの原因を求め、混合の非理想性を適切に評価することで理論式の内部整合性を確保する。これにより、実測例の少ないマグマ中の水の溶解熱の値を任意の温度・圧力で計算できるようになる。また、応用として、マグマが地下から地表へ上昇する際に、水の発泡によってマグマの温度がどのように変化するのかを数値計算で見積る。