Project/Area Number |
23K19070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0204:Astronomy, earth and planetary science, and related fields
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
白崎 正人 統計数理研究所, 統計思考院, 助教 (70767821)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 銀河団 / すばる望遠鏡 / アタカマ宇宙論望遠鏡 / 宇宙大規模構造 / バリオンフィードバック / 銀河形成 |
Outline of Research at the Start |
宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の統計解析によって、宇宙大規模構造の重力成長則は高い統計精度で予測できる。一方で、遠方銀河の重力レンズ解析により、予測を独立に検証する試みが世界中で進んでいる。現在、CMBの予測と、重力レンズ解析による実測値には食い違いがあり、宇宙構造形成理論に大きな欠陥があることが示唆されている。ガスや星からのエネルギー注入(バリオンフィードバック)が大規模構造の重力成長を妨げる可能性があると言われているが、観測により定量的に検証されていない。本研究では、バリオンフィードバックの準解析モデルを構築し、観測データと比較することで、宇宙構造形成理論に欠陥があるのかを精査する。
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、すばる望遠鏡に搭載されている撮像カメラ「Hyper Suprime Cam」(通称HSC)を用いた銀河撮像観測データと、アタカマ宇宙論望遠鏡によって得られた宇宙マイクロ波背景放射データの両方を用いた観測的研究に資するパイプラインを開発した。特にHSCによる銀河撮像データの統計的な性質を網羅的に調べるため、模擬観測データを数値シミュレーションをもとに作成した。この模擬観測データは、HSCデータと宇宙マイクロ背景放射の統計解析を行う際の、統計誤差推定に用いられる予定である。加えて、銀河団周辺の質量分布を精密なモデルとして、既存の機械学習ベースのパッケージツール「Dark Emulator」を改造した、新しいツールを開発した。このツールでは、Dark Emulatorが無視している銀河団内のガスと星の分布の影響を取り入れることができる。開発したDark Emulatorの改造版は、観測された銀河団の質量推定の解析に応用中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、観測データの解析に主眼を置いており、実際の解析を行う前に、解析パイプラインの検証を厳しく行う必要がある。研究初年度は、パイプラインの検証に大きな時間を割いたものの、実際の観測データに適応可能なレベルまで検証できた。次年度は実際の観測データへの応用を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
観測データとして、すばる望遠鏡のHSCデータとアタカマ宇宙論望遠鏡による宇宙マイクロ波背景放射のでデータが利用できる。この観測データを、開発したパイプラインで処理し、統計解析を行うことで、宇宙大規模構造の形成とガスや星からのフィードバックの影響を調査する予定である。
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