Project/Area Number |
23K19073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0204:Astronomy, earth and planetary science, and related fields
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
三杉 佳明 国立天文台, 天文シミュレーションプロジェクト, 特任研究員 (70986885)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 星形成 / フィラメント / 分子雲コア / 磁場 / 角運動量 / フィラメント状分子雲 / 星周円盤 / 多重星形成 |
Outline of Research at the Start |
星・惑星系は主に水素分子からなる分子雲と呼ばれる領域のうち、特に高密度な領域である分子雲コア(以下、コア)から形成される。我々の住む太陽系もコアから誕生したと考えられているが、「太陽系がどの程度普遍的であるのか」というような問いに対する答えは未だ存在しない。 星・惑星系の普遍性を理解するためにはコアの物理量の多様性を解明することが必要不可欠である。これらのコアは線状の高密度領域であるフィラメント構造に沿って分布していることが観測により明らかになってきた。本研究課題では、三次元非理想磁気流体シミュレーションを実行することで、フィラメント状分子雲から形成される星・惑星系の多様性の起源を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においてはまず本研究目的の一つである星周円盤のサイズについて、シミュレーションとモデルを組み合わせることによりサイズ分布を導出した。その結果、初期の乱流に起因して星の母体である分子雲コアが持っている角運動量の多様性により、観測されているような星周円盤のサイズの多様性の起源の一因となりうることを示した。この結果についてはすでに論文としてまとめApJより出版済みである。 次に、強い磁場に貫かれたフィラメント状分子雲から形成される分子雲コアの角運動量について、三次元磁気流体シミュレーションを用いて調べた。フィラメント状分子雲は分子雲において普遍的であり、分子雲コアは星惑星系の母体であるため、フィラメント状分子雲から形成される分子雲コアの物理的性質を解明することは重要である。この磁場強度は、これまでの私の研究よりも磁場強度が強い一方で、非理想磁気流体効果の一つである両極性拡散が効くほど磁場が強くないパラメータ領域に対応している。このシミュレーションの結果、これまでの磁場強度よりも、分子雲コアの回転軸と磁場の方向が揃いやすいことを示した。磁場と角運動量のなす角はその後の星形成過程における角運動量輸送効率に大きな影響を及ぼすことが知られているため、この結果はのちの星惑星形成に対して重要な結果である。また、本研究課題の一つであるコアの合体現象について、状態方程式をある密度を超えたときに固くすることで、フィラメント状分子雲の分裂過程の長期進化を追跡可能なコードを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度は論文1編出版に加え、これまでよりも磁場強度が強い場合のシミュレーション実行および解析、またコア合体を計算するためのコード開発を行った。しかしながら本研究課題のもう一方であるフィラメント状分子雲における両極性拡散の効果の調査についてはシミュレーションの実行にまだ至っていないため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き両極性拡散の効果を調べるためのコード開発を進める。両極性拡散の実装自体はすでに終了しているので、計算時間を短縮するためにsuper time stepping法を実装したのち、フィラメント状分子雲の分裂過程における両極性拡散の効果を調べる。また、シミュレーション結果の電離度に対する依存性も明らかにする。 さらに開発したコードを用いてフィラメント分裂の長時間計算を行い、フィラメントからコアへの降着やコア同士の合体によるコアの物理量の進化について解明する。
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