The effect of aqueous alteration on the distribution of lithophile elements in carbonaceous chondrites
Project/Area Number |
23K19080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0204:Astronomy, earth and planetary science, and related fields
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
前田 凌雅 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(海底資源センター), 特任研究員 (00982399)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 炭素質コンドライト / LA-ICP-TOF-MS / 元素分布 / 水質変成作用 / 親石元素 |
Outline of Research at the Start |
太陽系形成史を探る一環として、これまで未分化隕石(コンドライト)中の構成鉱物間における元素分布・移動の解明が進められている。鉱物間の微量元素分布を探ることで、母天体上での二次的変成作用など議論が行われてきたが、母天体上で水質変成を受けたとされる炭素質コンドライトでは、構成鉱物粒径の小ささなどが原因で分析が困難であったため研究が進んでいない。本研究では、申請者らが開発した最先端の分析法であるLA-ICP-TOF-MS元素マッピングを炭素質コンドライトに応用し、構成鉱物中の微量元素も含めた元素分布を定量的に解明した上で、母天体上での水質変成作用による元素分布への影響を探ることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
計画書に記載の通り、新たに2つのCMコンドライト厚片試料の貸与を国立極地研究所に申請をし、採択された。試料保管のため、真空デシケーターや真空ポンプを用意し、その2つの試料においては2024年度におけるTOFマッピングのための初期分析(反射像での鉱物観察等)を行った。2023年度の研究が始まる前から一部の分析が完了していた試料に関してはベルギーのゲント大学(共同研究機関)に分析を依頼した。分析結果は2023年度4月中には得ることが出来る。後述するように、本研究の分析は2024年度から本格的に行われ、2023年度(半年度分)は基本的に分析の準備に費やされた。 本研究の論文を書くにあたり参照のため必要不可欠な「LA-ICP-TOF-MSを用いた普通コンドライト中の元素(再)分布」に関する論文を学術雑誌に投稿したが、残念ながら受諾されなかった。その論文の改訂は現在進行形で行っている。 2023年度は国内学会1つ、国際学会2つの併せて3つの学会で研究発表を行った。特に国内の学会である日本地球化学会でのポスター発表は、日本に帰国後初めて宇宙化学分野の研究者と議論ができる機会であり、これまで関わりの少なかった日本の研究者に自身の研究を紹介するとともに新たな知見を得る良い機会となった。口頭発表した国際学会の1つでは本研究の海外の共同研究者と直接話すことができ、上述の論文の改訂、本研究の今後の展開などを詳細に議論することができた。上述の両学会発表では本研究のより建設的な知見を得ただけでなく、本研究とは直接的には関係ないがLA-ICP-TOF-MSマッピングが活用できる新たな研究のアイデアも得た。もう1つの国際学会での発表は招待講演である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度の研究が始まる前から一部の分析が完了していた試料に関しては年度内にTOFマッピングを行う予定で準備しており、分析開始直前まで順調であったのだが、不運にも開始直前に共同研究機関先の分析機器に不調が見られ修理に一か月弱を要し、年度内に分析を完了できなかった。また、貸与を申請した試料も年度内には届いたが、キュレーションチームが多忙であったため想定よりも試料を手にするのに時間を要してしまった。そのため、TOFマッピングのための事前分析も想定よりその分遅れている。 先述の通り、「LA-ICP-TOF-MSを用いた普通コンドライト中の元素(再)分布」に関する論文が残念ながら受諾されなかったため、そちらを先に改訂し、投稿しなければならない。 まとめると、想定より遅れが生じているが、研究計画を変更せざるを得ないほど重大ではなく、分析は既に分析・使用実績のある国立極地研究所で行えば分析時間を節約できるため、分析に関しては計画通り行えると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に予定していた分析は2024年度4月初旬に完了する予定であり、そこからCMコンドライト中の元素分布や元素の再分配の議論に必要最低限のデータは得られるはずである。しかしながら、得られた値の再現性、不確定性、代表性等を評価するためにはより多くの試料のTOFマッピングを行う必要がある。そのため、計画通り2024年度は先述の貸与された2つの試料に加えて他に試料を購入し、それらにTOFマッピングを適用する。そのマッピングのための事前分析は先述の通り国立極地研究所で行う予定である。 2024年度もいくつかの学会にて本研究の発表を行うつもりであるが、予定している中でも国際隕石学会への参加は特に重要であり、この学会は宇宙化学分野の研究者が最も多く集まる学会の1つである。その学会で本研究の発表を行い論文化に向けて様々な知見、意見を得るために少なくともこの学会への参加は必須である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)