Project/Area Number |
23K19084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0301:Mechanics of materials, production engineering, design engineering, fluid engineering, thermal engineering, mechanical dynamics, robotics, aerospace engineering, marine and maritime engineering, and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
米沢 安成 北海道大学, 工学研究院, 特任助教 (30979737)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 逆運動学 / 最適化 / マニピュレータ / ロボット / 数値計算 |
Outline of Research at the Start |
顧客の注文に応じて多様な製品を柔軟に製造するべく,生産工程を動的に組み替えるダイナミックセル生産方式が注目されている.しかし,製造業の主役をなす産業ロボットに対する人力での作業動作の教示は,作業内容が頻繁に変わる当該生産方式におけるボトルネックとなる.本研究では,教示作業の自動化を実現するべく,所望の手先位置・方向を実現するロボットの姿勢の自動計算(逆運動学)の実用的解法を構築する.提案手法では逆運動学問題を,ロボットの動作の最適化問題を通じて順運動学計算のみから間接的に解く.本手法は,当該生産方式実現のための突破口となり,製造業の高度化に貢献できる.
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Outline of Annual Research Achievements |
初めに,得られた解の実用性を考慮した,マニピュレータの逆運動学問題を定式化した.具体的には,手先位置・姿勢の目標値と,計算された関節変位から得られる手先位置・姿勢との誤差を表す連立方程式を導出した.そして,この誤差に関する連立方程式から,マニピュレータの手先位置・姿勢の誤差を評価するスカラ関数を構築した.続いて,初期状態からの関節の動作コストを評価するスカラ関数を提案した.最後に,動作コストを考慮しつつ所望の手先位置・姿勢を実現するための逆運動学問題を,これら2つの評価関数から構成したスカラ関数(損失関数)の最小化問題として定式化した. 次に,定式化した最適化問題に対する,高効率かつ安定性の高い数値解法を検討した.具体的には,高い計算効率と計算安定性を有する確率的最適化法を活用することで,最適化問題の求解アルゴリズムを構築した.提案するアルゴリズムは,評価関数自体の値のみを必要とし,評価関数の解析的な勾配の導出を始めとした煩雑な計算は不要である.そのため,提案手法は簡便かつ汎用性が高い. 最後に,提案手法の有効性を検証した.その結果,提案する計算方法により,冗長自由度を持つものを含む様々なマニピュレータにおいて,所望の手先位置・姿勢を実現しつつ,高効率な動作を実現する逆運動学解を得ることが可能であった. 上記と関連して得られた成果は,査読付き国際誌における学術論文,及び学術会議において発表されている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究計画通りに,マニピュレータの高効率な動作を実現するための逆運動学問題の定式化,及び最適化アルゴリズムを活用した当該問題の高効率な数値解法の構築を遂行することができた.さらに,定式化した逆運動学問題とその数値解法の特性を評価するためのシミュレーションプログラムを作成し,これらの動作や特性を精査することができた.以上から,本研究で提案する,実用的な逆運動学計算の核となる要素が構築できたという点において,研究計画はおおむね順調に進展していると言える. 成果発表の状況として,上記と関連して,得られた成果が査読付き英文誌及び国内外の学術会議にて発表された.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策として,2023年度に引き続き,実用的な解をもたらす逆運動学計算法の定式化とその高効率な数値解法の構築について検討を行う.具体的には,マニピュレータの動作に伴う関節の駆動コストをはじめとした,実際の現場での使用を意識した様々な要素を加味した,逆運動学問題の定式化を検討する.そして,それに対する高効率かつ計算安定性の高いアルゴリズムの構築に挑戦する.所望の性能が得られない場合は,問題の再定式化やアルゴリズムの改良などを適宜行う.得られた成果は,随時,国内外における学術会議や,学術雑誌にて発表する.
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