Project/Area Number |
23K19112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0302:Electrical and electronic engineering and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武田 崇仁 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (00985327)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | スピントロニクス / 酸化物 / 放射光 |
Outline of Research at the Start |
昨今の電子デバイスの広がりとともに消費電力が急増している。そのような状況で持続可能な社会を実現しつつSociety 5.0を実現するには、電子の持つ不揮発的な自由度である「スピン」を利用した低消費電力デバイスの創出が不可欠である。本研究ではペロブスカイト型酸化物薄膜利用した室温動作低消費電力デバイス(スピントランジスタ)の実現を目指して、高品質ペロブスカイト型酸化物薄膜の作製・物性評価・デバイス作製と特性評価に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、室温を大きく超える強磁性転移温度を有する強磁性ペロブスカイト型酸化物を用いて、室温以上でも動作するスピントランジスタを実現することを目的としている。 初年度である2023年度は強磁性材料の候補物質であるBaFeO3薄膜そのもの結晶成長及びその物性の評価に取り組んだ。SrTiO3基板上にBaFeOx薄膜を分子線エピタキシー法で作製することができるようになったものの、薄膜ごとの組成のばらつきが大きく、BaFeO3の結晶成長の条件が定まっていない。結晶性の評価としてX線回折法と走査透過電子顕微鏡を用いたところ、SrTiO3基板上にエピタキシャルにBaFeOx薄膜を作製できているものの、設計値と実際の膜厚に大きなずれがあることが判明した。また、作製したBaFeOx薄膜の磁気特性を評価したが、強磁性転移温度、磁気モーメントの大きさともに先行研究で報告されている値に及んでおらず、膜質の改善が急務である。放射光施設SPring-8にてX線吸収分光実験を行い、複数のBaFeOx薄膜のFeの価数を評価したところ、一部の薄膜で4価のFeが含まれていることが分かった。BaFeO3においてFeは4価であるため、この結果は本研究課題の遂行に向けてポジティブな結果であるとともにBaFeO3の結晶成長の条件を探し出す上で重要な情報である。2024年度は高品質なBaFeO3薄膜を安定して作製するために結晶成長の条件を改良し、デバイス作製まで行いたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
結晶成長の要である分線エピタキシー装置の移設作業があったため実験のスタートが遅れた。しかしながら、酸素に関して組成ズレはあるものの最も困難が予想された基板上へのエピタキシャル成長には成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
BaFeO3薄膜を作製するため現在の組成ずれを解消する。方法としては2つ考えている。1つ目は、引き続き結晶成長の条件を変えて成膜し最適な条件を探すというものである。2つ目は、BaFeOx薄膜をアニールするなどの成膜後の処理をすることでBaFeO3にするというものである。そのようにして作製したBaFeO3薄膜に対し、放射光分光やデバイス加工などをして本研究課題の遂行を目指す。
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