Project/Area Number |
23K19114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0302:Electrical and electronic engineering and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福澤 亮太 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (80982298)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 有機光検出器 / キャリアトラップ / ギャップ内準位 / 原子間力顕微鏡 / ケルビンプローブフォース顕微鏡 / 有機半導体 / 界面物性 |
Outline of Research at the Start |
有機光検出器は生体計測に適した軽量柔軟性有しており、次世代エレクトロニクスの有望な候補である。有機光検出器の性能を無機光検出器と遜色ない程度まで向上させるためには、暗電流の低減が重要となる。有機光検出器中の暗電流の下限値は、理論予測値と実測値との間に大きなギャップがあり、理論下限値に近づけることが課題である。本研究課題では、暗電流の要因となるキャリアトラップの起源を解明しその抑制法を探索することで、有機光検出器の光検出感度の向上を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
二重バイアス変調静電引力顕微鏡法(DEFM)を用いた有機光検出器 (OPD) 中のキャリアトラップの定量的評価を実現するにあたって、DEFM測定における、印加交流電圧が及ぼす影響をシミュレーションによって調査した。DEFMでは、交流電圧を印加することで探針-試料間の静電気力を変調し、静電気力の内の特定の周波数成分をロックイン検出を行う。検出した静電気力の値を、換算式を用いて静電容量の値を見積もることができるが、この換算式は交流電圧に対して電荷が線形に振るまうことを近似しているため、近似の妥当性を調査することが定量性を議論する上で重要である。 シミュレーションの結果、交流電圧の振幅の増加によって静電容量の真の値からのズレが大きくなることがわかった。特に、半導体上での理想的な静電容量-電圧特性と比較することで、どのように誤差が生じるのかが理解された。本シミュレーションによって、交流電圧の振幅とDEFMによる定量測定精度に関する理解が深まった。 一方で、OPDの断面計測に向けた試料の準備方法について検討を行った。本計測では、デバイスの動作のために外部から電圧を印加した状態で、断面の計測を行う必要がある。このようなオペランド計測に向け、アノードおよびカソードに電圧を印加しながら断面計測が可能な構造の設計を行った。また、断面の加工方法についても検討および試作を行った。結果として、ガラスカッターを用いた劈開が有効であること、また劈開時の注意すべき点などが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は試料の断面加工を外注することを予定していたが、業者側での加工が困難とされたために、研究室内で断面加工についての検討・試作を行うこととなり、多少の遅れが生じたが、それ以外は、概ね、順調に研究は進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、二重バイアス静電引力顕微鏡やケルビンプローブフォース顕微鏡の時間分解計測を行い、OPD中のキャリアトラップの起源を解明をめざす。現段階では、計画の大幅な変更などの予定はない。
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