Project/Area Number |
23K19126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0302:Electrical and electronic engineering and related fields
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
金子 奈々恵 早稲田大学, 理工学術院, 任期付教員 (90979618)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | バーチャルパワープラント / 燃料電池 / 蓄電池 / 太陽光発電 / 機械学習 / 分散型電源 / 予測 / 一次調整力 |
Outline of Research at the Start |
脱炭素化や再生可能エネルギーの普及拡大に伴う系統の周波数制御のための一次調整力不足を解決するため,電力需要家に設置された分散型エネルギー源(DER)のバーチャルパワープラント(VPP)制御による調整力調達技術の開発を目指す。 数千軒規模の需要家に設置された太陽光発電,燃料電池,電力貯蔵設備の3電池連携システムの設備余力の変動を機械学習的手法に基づく周波数の確率密度分布予測により統計的に見積もることで,安定性が高い一次調整力調達のためのVPP制御技術を開発する。また,国内随一の実証設備を用いて,開発手法の実装可能性を世界に先駆けて評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
数千軒規模の需要家に設置された太陽光発電(PV),燃料電池(EF)および蓄電池や電気自動車等の電力貯蔵設備(BT)の3電池連携システムを用いた一次調整力の調達のための適切なバーチャルパワープラント(VPP)の制御技術の開発に向けて,2023年度は,「(研究課題1)周波数変動の確率密度分布予測手法の開発」「(研究課題2)調整力の週間計画量の作成手法の開発」「(研究課題3)需要家個別のVPP制御パラメタの決定手法の開発」に関する検討を開始した。 課題1では,周波数の実績データを用いた,時間帯別の確率密度関数の平均や分散の算出を行うことで,周波数の推移に関する時間依存性を明らかにした。 課題2では,対象とする需要家全体のPV発電量や負荷需要およびBT残容量の真値データに着目しながら,アグリゲーターにおける安定的および経済的な調整力の週間計画を実現するような最適化問題の定式化と評価を実施した。 課題3では,週間計画に基づく需要家個別のVPP制御について,必要なBT容量を最小化することを目的としてBT・EFの運転計画手法を提案し,評価を行った。 また,「(研究課題4)DER実証設備によるVPP制御技術の実装可能性評価」の実現に向けて,必要な設備の要件等について検討を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は,課題1について,周波数変動の時間依存性に関する数値解析と予測を実施するという計画を立てており,概ね想定通りの進捗が得られた。 また,課題2,課題3についても,当初の予定通り,初期検討を完了した。課題2では,周波数や負荷需要量等の予測データを利活用することで,アグリゲーターにおける安定的かつ経済的な調整力の週間計画を実現することを目的として掲げている。これに対して,初期検討として,週間計画決定のための数値最適化問題の定式化と各種データの真値データを用いた数値実験より,提案する最適化手法が,調整力調達時の不履行を回避しながらアグリゲーターの収益を増加する上で有効であることを確認した。課題3に関しては,調整力アグリゲーション時の需要家個別のDER制御について,必要なBT容量の削減を目的として,需要家個別の需要傾向に着目したアグリゲーション分担量の決定機構およびBT残容量に依存したEFの発電パターンの変更機構を導入したDER運用手法を提案し,有用性を数値実験に基づき確認した。 課題4については,2024年度以降の実証にて使用可能なDER設備を精査しつつ,少なくても2軒の需要家を想定した実証実験を実施することで,複数需要家でのアグリゲーションの実現可能性を評価する方針を決定した。
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Strategy for Future Research Activity |
課題1については,2023年度の検討から引き続き,周波数変動の確率密度分布の予測手法の開発を行う。特に,2023年度に確認した分布の時間依存性に着目しつつ,周波数変動の不確実性を適切に最適化問題に導入するための予測手法を検討する。課題2,課題3については,2023年度の検討結果および課題1での検討を基盤に,周波数や需要量の予測に基づくVPP制御手法の開発を進める。課題2では,今までに実施してきた各種データの真値に基づく最適化を予測データに基づく問題に拡張し,評価を行う。また,周波数や電力需要量の予測不確実性を最適化問題にて考慮しつつ安定的な調整力調達を実現するための手法を検討する。課題3については,実運用時に観測可能なデータを精査しつつ,利活用することでリアルタイムにBTの残容量を調整できるようなDER制御手法の開発に取り組む。特に,需要家個別の調整力のアグリゲーション分担量を需要量の変動の予測値に基づき決定することで,調達不履行の発生を回避することが可能となる。また,課題4について,提案するVPP制御手法の有用性の確認を目的として,複数需要家のDERを用いた実証実験および評価を行う。
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