Project/Area Number |
23K19153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0303:Civil engineering, social systems engineering, safety engineering, disaster prevention engineering, and related fields
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
景政 柊蘭 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 助教 (90978727)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | CPR細菌 |
Outline of Research at the Start |
細胞・ゲノムサイズが小さく機能が不明である巨大未知系統群Candidate Phyla Radiationに属する細菌 (以下、CPR細菌と称す) が、廃水処理汚泥内で優占していることが確認されている。CPR細菌は、廃水処理汚泥内の主要微生物群に寄生/共生することで、処理水質や廃水処理プロセスの運転管理に影響を与えている可能性がある。だが、廃水処理汚泥生態系におけるCPR細菌の寄生/共生機構は明らかとなっていない。廃水処理汚泥中のCPR細菌を効率的に捕集・解析する独自技術を用いることで、廃水処理汚泥生態系におけるCPR細菌の寄生/共生機構の解明を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
廃水処理汚泥より、細胞・ゲノムサイズが小さく機能が不明である巨大未知系統群 Candidate Phyla Radiationに属する細菌 (以下, CPR細菌と称す) が普遍的に検出されている。CPR細菌は極小微生物群特有の特性から寄生/共生細菌であることが示唆されている。CPR細菌が廃水処理汚泥生態系において寄生/共生している場合、他者の生存可能性や廃水処理汚泥の微生物多様性に影響を与え、その影響はさらに処理水質や廃水処理プロセスの運転管理に及んでいる可能性がある。しかし、廃水処理汚泥内に生息しているCPR細菌の生理生態に関する情報は極僅かであり、廃水処理汚泥内に生息しているCPR細菌の寄生/共生機構は不明である。本研究では、廃水処理汚泥内に生息するCPR細菌の寄生/共生機構を明らかにすることを目的とした。本研究では廃水処理汚泥内のCPR細菌を特異的に解析するために、廃水処理汚泥を濾過することで廃水処理汚泥内のCPR細菌を捕集・解析するサイズ分画手法を用いた。サイズ分画した廃水処理汚泥をメタゲノム解析に供することで、廃水処理汚泥内に生息するCPR細菌、特にSaccharimonadiaの多様な系統の遺伝子情報を回収した。これらは代謝に関わる多くの遺伝子を保持していない可能性があるにもかかわらず、他者との相互作用のために必要な機能の遺伝子は保持している可能性が示された。また、Saccharimonadiaと正の共起をする細菌も存在しており、廃水処理汚泥内に生息する多様な系統のSaccharimonadiaは寄生/共生細菌である可能性が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
廃水処理汚泥中に生息するCPR細菌の寄生/共生機構の解明を目的に研究を行っている。今年度は、廃水処理汚泥中に生息するCPR細菌の中でもSaccharimonadiaの寄生/共生機構を明らかにすることに注力して研究に取り組んだ。効率的にSaccharimonadiaの寄生/共生機構を明らかにするために、廃水処理汚泥内のCPR細菌を捕集する廃水処理汚泥のサイズ分画手法を取り入れ、研究を進めている。今年度はサイズ分画した廃水処理汚泥をメタゲノム解析に供することで、Saccharimonadiaの遺伝子情報を回収し、寄生/共生機構を明らかにすることを試みた。その結果、未分画の廃水処理汚泥からは遺伝子情報の回収が困難であったものを含め多様な系統のSaccharimonadiaの遺伝子情報を回収することに成功した。また、これらの多様なSaccharimonadiaが寄生/共生時に用いている可能性がある機能を明らかにした。今年度明らかとなった遺伝子情報をもとに、Saccharimonadiaの培養を試みることで、廃水処理汚泥生態系におけるSaccharimonadiaの詳細なふるまいが明らかになることが期待できる。今年度の研究成果を英語論文で発表する予定である。現在執筆中であり、近日中に発表される予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られたSaccharimonadiaの代謝に関するデータや共起解析の結果を基に、廃水処理汚泥中に生息するSaccharimonadiaの培養を行う。Saccharimonadiaが捕集されたサイズ分画した廃水処理汚泥を植種源として、バイオリアクターを運転することでSaccharimonadiaを集積する。Saccharimonadiaを集積できた暁には、宿主/パートナーとの共培養系を確立する。共培養系確立後は、生物学的解析に加え、ゲノム情報解析や顕微鏡観察などにより、その機能や寄生/共生機構を明らかにする。また、バイオリアクターの運転条件を変更してプロセスが破綻した場合を再現し、その際の微生物組成と処理水質を把握することで、SaccharimonadiaをはじめCPR 細菌が廃水処理汚泥生態系の多様性や処理水質に与えている影響を示す。メタゲノム解析による遺伝子情報や培養によって得られた結果を基に、廃水処理汚泥中に生息するCPR細菌の寄生/共生機構の解明を目指す。
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