Project/Area Number |
23K19179
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0401:Materials engineering, chemical engineering, and related fields
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
真中 智世 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 特命助教 (60984606)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ステンレス鋼 / 耐食性 / 表面処理 / 電気化学計測 |
Outline of Research at the Start |
ステンレス鋼では塩化物イオンが存在する環境において局部腐食生じることが問題となっている。腐食の発生は、材料本来の強度や特性を損ない、重大な事故の原因となるため、材料には長期にわたって高い耐食性を発揮し続けることが求められる。局部腐食は、材料表面に露出した介在物を起点に、不働態皮膜が破壊されて生じる。そこで本研究では、腐食を誘発する介在物の除去と不働態皮膜の強化を両立する電気化学的な表面処理法の開発に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
ステンレス鋼の表面には自発的に不働態皮膜が形成するため、一般に耐食性に優れる。しかし、生体内のように塩化物イオンが存在する環境で局部腐食を生じることが課題となっている。腐食の発生は、材料本来の強度や特性を著しく損ない、重大な事故の原因となるため、材料には長期にわたって高い耐食性を発揮し続けることが求められる。ステンレス鋼における局部腐食は、材料表面に露出した介在物が起点となり、不働態皮膜が破壊されて発生する。本研究では、腐食を誘発する介在物のみを選択的な除去と、不働態皮膜の強化を両立する新たな表面処理法の開発に取り組んでいる。その手法として、電気化学的に腐食誘発性介在物を溶解させるとともに、不働態皮膜中に特定の元素を濃化させることを試みている。複数の酸性溶液中で、複数の電流/電位印加パターンで電解処理を行い、擬似体液中で耐食性評価を行った。医療用ステンレス鋼に対して、電流または電位の両方を制御し、介在物の溶解ステップと溶解停止ステップを繰り返す表面処理を施した結果、腐食誘発因子のみを選択的に取り除くことに成功した。本表面処理法は、従来法よりも高い耐食性を示し、生体内模擬環境では腐食が生じないレベルであることを確認した。今後は、本表面処理による材料の表面状態の変化および不働態皮膜の変化を解析することでより腐食性の高い環境においても高耐食性を示す条件への改良を実施する。本研究成果については2024年度に開催される学会で報告および論文投稿を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記した通り、2023年度に計画していた項目をおおむね計画通りに遂行した。医療機器に多用されるオーステナイト系ステンレス鋼に対して、複数条件の表面処理を試みた結果、生体内模擬環境で高耐食性を示す表面処理条件を解明した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に見出した、耐食性を向上させる酸性溶液中での電解処理を基軸に、2024年度はその表面処理が表面形態に与える影響と作用メカニズムの解明に迫ることを目標とする。表面に形成した不働態皮膜の組成や化学結合状態を解析し、最も耐食性を向上させる条件を明らかにするとともに、生体内模擬環境だけでなく、より過酷な腐食環境でも高耐食性を示す材料表面の獲得を目指す。
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