純銅溶接で発生する青色半導体レーザ誘起プルーム中の光と高エネルギー粒子の相互作用
Project/Area Number |
23K19180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0401:Materials engineering, chemical engineering, and related fields
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹中 啓輔 大阪大学, 接合科学研究所, 助教 (70982205)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 青色半導体レーザ / 青色半導体レーザ誘起プルーム / 純銅 / 高エネルギー粒子 / 青色半導体レーザー / 青色半導体レーザー誘起プルーム |
Outline of Research at the Start |
青色半導体レーザはカーボンニュートラル社会実現のために必要不可欠な溶接光源であるが、その溶接諸現象は明らかになっていない。特に加工点上方に発生する青色半導体レーザ誘起プルーム中の光と高エネルギー粒子の相互作用は加工エネルギーの損失に繋がるため、その作用機構の解明は急務である。そこで青色半導体レーザ誘起プルームの4次元分光測定と、プローブ光を使用したプルームによる吸収・散乱・屈折を測定することで純銅溶接により発生する青色半導体レーザ誘起プルーム中の相互作用機構の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
カーボンニュートラル社会実現に向け、電気自動車(EV)の開発と普及が求められている。EVはモータなどの電気部品が多く使用されており、電気伝導率の高い純銅が用いられている。そのためEVの性能向上と製造時のCO2排出量削減のためのキーテクノロジーとして高効率かつ高速な純銅溶接技術の開発が求められている。純銅は熱伝導率が高いため局所過熱が難しい材料である。レーザ溶接は局所過熱が可能な接合方法であるが、従来使用されている近赤外線レーザは銅に対する光吸収率が10%以下と低い。そこで昨今注目されているのが光吸収率は近赤外線よりも6倍以上高い青色半導体レーザである。青色半導体レーザはカーボンニュートラル社会実現のために必要不可欠な溶接光源であるが、波長の短い高出力レーザを用いた際の溶接諸現象は明らかになっていない。そこで本研究では出力1.5 kW青色半導体レーザを用いて純銅のレーザ溶接を行い、溶接時に加工点上方に発生する青色半導体レーザ誘起プルームの光と高エネルギー粒子の相互作用機構について実験的に明らかにし、高効率な純銅溶接を実現するための新知見を得ることを目的とする。本年度は分光測定のための検出ヘッドを設計製作し、青色半導体レーザ誘起プルームの空間的時間的な変動の測定を行った。計測して得られたスペクトルからプルームの構成元素を特定した。プルームは電離しておらず、Cuの中性線とCuOの輝線から構成されていることがわかり、CuOの強度は加工点上方に向かうにつれて増加する傾向にあることがわかった。また、強度の時間変化を測定したところ、熱伝導モード溶接と比較してキーホールモード溶接では3.5倍変動が大きくなることがわかり、プルームと青色半導体レーザの相互作用がキーホールモード溶接では時間的に大きく変動していることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
青色半導体レーザ誘起プルームの分光測定を行うために検出用光学系を設計製作した。光学部品を交換することで視野範囲を50 μmから200 μmまで調節可能であり、プルームの発光強度と検出感度の関係から視野範囲を100 μmに設定した。分光測定から得られたスペクトルからプルーム中の構成元素を特定するため、雰囲気ガスに大気、アルゴン、窒素の3種類を、ターゲット金属に純銅と純ニッケルの2種類を使用して結果を比較することで同定した。結果としてプルーム中の銅は電離していないことがわかり、また、加工点から離れるにしたがって銅から酸化銅に変化することがわかった。輝線の信号強度の時間変化を計測したところ、レーザのエネルギー密度が高くなると時間的な変動が大きくなり、溶接も不安定になることがわかった。このことからプルームとレーザの相互作用の不安定さが溶接の不安定さに繋がることを明らかにした。当該研究成果を学術雑誌に論文を投稿し、現在出版待ちの状態である。計画通りプルームの同定と空間時間的な変動が明らかにできたため、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は、青色半導体レーザ誘起プルームとレーザがどのように相互作用を起こしているのかを定量的に明らかにする。プルームとレーザの相互作用は屈折・散乱・吸収に切り分けることができると考えており、プローブ光を用いた計測からレーザが純銅基板に到達するエネルギーの減衰の機序を明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)