Project/Area Number |
23K19202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0402:Nano/micro science, applied condensed matter physics, applied physics and engineering, and related fields
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
藤田 理紗 早稲田大学, ナノ・ライフ創新研究機構, 次席研究員(研究院講師) (10845291)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | マイクロ流体デバイス / 単一細胞解析 / ヒドロゲル液滴 / 単一細胞培養 / エピジェネティクス |
Outline of Research at the Start |
マイクロ流体技術の発展により単一細胞のオミクス解析技術が進展し、細胞の不均一性が注目されている。一方で、オミクス情報には細胞の動的な情報が含まれていない。本研究ではマイクロ流体デバイスを用いた微小液滴生成技術により、細胞の動態とオミクス情報の関係性の解明を目的とする。そこで、単一細胞を微小液滴に封入することで生細胞の動態情報を取得した上で遺伝子発現解析を行う手法を構築する。その手法を用いて、がん細胞で過剰発現しているエピジェネティクス因子に起因する、細胞間の動態と遺伝子発現状態の違いを解析し、がん化やがん促進に関与する細胞特性を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、エピゲノム異常を有する細胞における細胞動態と遺伝子発現状態の相関性の解明を目的としている。そこで、マイクロ流体デバイスを用いて同一細胞に対して動態解析とオミクス解析を行うことに着想した。本研究期間中には、マイクロ流体デバイス内で微小ヒドロゲル液滴に封入した細胞の観察を行った上で、その細胞を抽出して遺伝子発現解析を行う手法の構築に取り組んでいる。更にその手法を活用して、エピジェネティクス因子欠損細胞の動態と遺伝子発現状態の相関性に関する解析を推進する。 本年度は、培養細胞をヒドロゲル液滴に封入するためのマイクロ流体デバイス作製に取り組み、ヒドロゲル液滴生成条件の検討とマイクロ流体デバイスの改良を進めた。具体的には、ヒドロゲルとしてアルギン酸ナトリウムを用い、連続相のオイルの種類やゲル化架橋材の濃度や混合方法を検討して、water-in-oil型の液滴の生成手法を探索した。マイクロ流体デバイスの改良については、単一細胞の液滴封入効率の改善を目指し、流路を調整して流体実験で細胞の液滴封入効率を検証した。引き続き、オイル中の生成液滴を培養液に置換する方法やコラーゲンなどアルギン酸とは異なるゲル剤を使用した液滴生成条件の検討を進めている。並行して、単一細胞を封入したヒドロゲル液滴を捕捉して培養しながらライブイメージングをするためのデバイスの作製に着手している。これまでに作製したデバイスは、1台につき特異的に回収できる液滴が5個と少ない設計のため、より多くの液滴を特異的に回収することを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の計画と比較して、アルギン酸ナトリウムのヒドロゲル液滴生成デバイスの作製やそのデバイスを用いた細胞封入技術の確立が計画通り進んでいる。一方で、液滴封入細胞のデバイス内培養の技術が確立されておらず、計画より遅れている。また、マイクロ流体デバイスで単一細胞を液滴に封入する効率を改善することを試みた。単一細胞封入液滴生成時に多くの空の液滴が生成され、細胞を含む液滴の捕捉の障害となるため、空の液滴が生成される割合を減らす必要がある。そのために、マイクロ流体デバイスの流路幅を調整し、単一細胞の封入効率を改善する傾向を見出しており、該当成果をセンサシンポジウムにてポスター発表を行った。以上より、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、当初の計画に沿って、細胞封入液滴のデバイス内での捕捉、培養、回収を制御する技術の確立に取り組む。そのために、捕捉用用流体デバイスの設計と作製から開始する。次に、培養液の灌流の有無を含む細胞培養環境を検討し、最後に液滴回収のための条件検討を行う。 さらには、その手法を応用して、エピゲノム異常の細胞やエピジェネティクス因子阻害剤添加したがん細胞について、流体デバイス内のライブイメージングによる細胞動態変化と回収した細胞の目的遺伝子の発現状態の関係性の解析を進める。
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