Project/Area Number |
23K19217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0403:Biomedical engineering and related fields
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
寺澤 靖雄 奈良先端科学技術大学院大学, 研究推進機構, 客員教授 (20815849)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 刺激電極 / 表面処理 / 酸化イリジウム / 電荷注入能力 |
Outline of Research at the Start |
人工内耳や人工網膜などの神経刺激装置において、刺激電極の性能は装置の安全性、有効性を左右するきわめて重要な特性である。電極性能を向上させる手段として、表面を意図的に粗化する物理的形状制御や高性能材料のコーティングが知られている。一方、これらの性能向上手段を単一電極に複数同時に適用することでさらなる性能向上が得られるか否かは必ずしも明らかではない。我々はこれまで人工網膜の研究開発を通じ開発した、ポーラス表面を有する3次元形状刺激電極技術を有している。そこで本研究ではこのような性能向上手段の多重適用がさらなる電極性能向上につながるか否かを明らかにし、さらにそのメカニズム解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では神経刺激用電極の高性能化を目的として、電極の物理的形状制御や高性能材料のコーティングを行う。さらにこのような性能向上手段の多重適用がさらなる電極性能向上につながるか否かを明らかにし、さらにそのメカニズム解明を目指す。 2023年度は酸化イリジウム、窒化チタン、および導電性高分子材料等の電極材料について、文献調査をもとにこれらの性能および加工容易性を比較検討した。各材料はそれぞれ電荷注入能力が高い、機械的特性が優れる、成膜が容易である、といった特徴を有する。これらを総合的に検討し、次年度評価に注力する材料として酸化イリジウムを選定した。酸化イリジウムの特徴である電荷注入能力が高く、スパッタリング、電解および無電解めっきといった様々な手法での成膜を選択することが可能である点に着目した。とくにめっきによる成膜は、複雑形状を有する電極表面に均一な厚みの膜を形成することが可能である。本研究計画ではレーザー加工等で物理的に形成した複雑形状表面の上に高性能材料をコーティングすることを計画していることから、めっきとの親和性が高く、狙った性能向上を得られると期待できる。 電極材料検討と平行して、刺激電極の性能評価に必要な環境構築を行った。神経刺激に用いる電極性能を表す重要な指標の一つとして、電荷注入能力(安全に注入可能な単面積当たりの最大電荷寮)が知られている。この計測に必要な計測器の導入、及び立ち上げを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね計画通り、高性能電極材料の調査と評価系立ち上げを実施することができた。2024年度は実際に電極を制作する予定であり、これに必要なレーザー加工装置(既存設備)が老朽化しており若干の不安があるが、現時点で致命的な問題ではない。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画に従い、これまでに選定した材料と加工方法を用いて、異なる材料/構造を有する刺激電極を制作する。さらに制作した電極を、食塩水中、および生体内で性能評価する。これらを通じて、研究計画時点からの仮説である「複数の高性能化手段を組み合わせることでさらなる性能向上が得られる」が正しいか否かを明らかにしてゆく。
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