Project/Area Number |
23K19262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0502:Inorganic/coordination chemistry, analytical chemistry, inorganic materials chemistry, energy-related chemistry, and related fields
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
鈴木 陽太 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (30981592)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | DNAアプタマー / 分子認識 / キャピラリー電気泳動 / 超分子化学 / 発光 / クラスタリング / ボロン酸 / 遷移金属錯体 |
Outline of Research at the Start |
高い性能を持つ分子認識素子の開発は,多くの研究分野(生命科学,創薬など)を発展させる重要な研究である。本研究では,「立体配置特性の高いDNAアプタマー」へ「標的分子の局所構造を高度に認識する人工分子」を非共有結合的に導入することで,種々の標的分子と強く結合する分子認識素子を自在に設計する。この複合体を「超分子アプタマー」として創案し,従来のDNAアプタマーでは実現できない,新奇な分子認識能を持つ分子認識素子の設計を目指す。 人工分子の導入方法として,①DNAアプタマーが形成する四重鎖や二重鎖構造への人工分子のインターカレート,②DNAアプタマーと人工分子修飾型DNAの二重鎖形成を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,「標的分子の局所構造を高度に認識するレセプター分子」と「立体配置特性の高いDNAアプタマー」の超分子複合体である「超分子アプタマー」を提案し,種々の標的分子と強く結合する分子認識素子を自在に設計することである。この「超分子アプタマー」では,レセプター分子とDNAアプタマーは非共有結合的に接続されており,これら2つが標的分子を多点で認識することを狙っている。つまり,人工分子とDNA分子の協同効果による多点認識系の構築によって,優れた結合能を持つ分子認識素子を自在に設計するための,新たな方法論を提示する。 2023年度は,分子認識部位を持つレセプター分子を導入した,種々のプライマーDNAの合成に成功し,1ラウンドキャピラリー電気泳動(SR-CE)選抜法によって,実際に超分子アプタマーの獲得を試みた。具体的には,タンパク質の疎水性部位を認識するソルバトクロミック色素,糖類を認識するボロン酸構造を導入したプライマーDNAを設計した。中でも,ソルバトクロミック色素を導入したDNAライブラリについて,VEGFタンパク質を標的としたときの,SR-CE選抜を行った。得られたDNA選抜プールに対して,次世代シーケンサーによる配列解析を行い,一連の配列情報を獲得した。 加えて,長鎖メチレンによって架橋されたピレン-アルキン化合物の合成にも成功しており,今後クリック反応によって同様にプライマーDNAへと修飾することで,新たな超分子アプタマーを設計する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次のように着実に結果が得られている。 レセプター分子が修飾された種々のプライマーDNAの合成に成功した。さらにソルバトクロミック色素を導入したDNAライブラリを用い,標的物質に対するSR-CE選抜まで到達している。今後配列情報を精査することにより,高い標的親和性を有する超分子アプタマーの配列を特定する。 プライマーDNAへのレセプター分子の導入は,適切な原料を用いたクリック反応,及び保護基の脱保護反応等によって達成し,生成物はMALDI法によって確認した。中でも,プライマーDNAへの導入に成功したボロン酸部位は,水溶液中で糖類と迅速に錯形成することから,糖構造をもつ標的物質に対する高い親和性が発現される可能性がある。つまり,レセプター分子とDNAアプタマーの相乗効果によって,標的物質に対する優れた認識能を発現すると期待する。 また,任意の長さのメチレン鎖によって架橋された疎水性蛍光団-アルキン化合物の合成方法を確立した。今後プライマーDNAへの導入によって,レセプター分子構造の検討による,標的親和性及び発光応答性の精密な制御を行うことも可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は引き続き,ソルバトクロミック色素を導入したDNAライブラリを用いて,SR-CE選抜法による超分子アプタマーの獲得を行う。次世代シーケンサー解析によって得た配列情報を用いて,標的物質に対する高い親和性を持つ超分子アプタマー配列を特定する。また,ボロン酸部位や他のレセプター構造を導入したDNAライブラリについても同様にSR-CE選抜法を実施し,一連の構造を持つ超分子アプタマーを獲得する。加えて,発光団等を持つレセプター分子を導入することで,標的物質に対する発光応答性が付与された超分子アプタマーを獲得する。つまり,任意の機能性が付与された超分子アプタマーの設計を行う。 このように,SR-CE法による超分子アプタマーの獲得,及びその機能性の評価を行うことで,高機能アプタマーを設計するための方法論の確立へ挑戦する。
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