Project/Area Number |
23K19264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0502:Inorganic/coordination chemistry, analytical chemistry, inorganic materials chemistry, energy-related chemistry, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平井 遥 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (80984749)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 配位子保護金クラスター / 光レドックス触媒 / ハライド配位子 / クラスター / 光触媒 |
Outline of Research at the Start |
数個から百個程度の金原子からなる金属コアの表面を配位子で修飾した配位子保護金クラスターは、サイズや組成に応じて劇的に光学特性および酸化還元電位が変調するため、光レドックス触媒としての高い潜在能力を秘めている。しかし、金クラスターを光触媒として応用した例は限られている。本研究では、高活性かつ高選択性を持つクラスター光触媒の設計指針を獲得することを目的に、配位子が光レドックス触媒能にどのような影響を与えるかを調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、正二十面体のIr@Au12コアがジホスフィン配位子と塩素配位子で保護されたIrAu12-Clクラスターの塩素配位子を臭素やヨウ素配位子で交換し、発光特性および光レドックス触媒能がどのように変化するか調べた。配位子交換により得られたIrAu12-BrクラスターとIrAu12-Iクラスターの組成は、エレクトロスプレーイオン化質量分析法によって同定した。また、単結晶X線回折解析とNMR分析により、生成したクラスターがIr@Au12コアと配位子層の構造を保ったままCl配位子のみが他のハライド配位子に交換されていることを確認した。 上記の3種のIrAu12クラスターの発光特性を比較すると、リン光の量子収率はIrAu12-I > IrAu12-Br > IrAu12-Clの順になっていた一方、リン光の寿命はIrAu12-Cl > IrAu12-Br > IrAu12-Iの順になっていた。上記の結果から、無輻射緩和速度はハライド配位子に影響されないが、輻射緩和は重いハライドが配位するほど加速されていることがわかった。この現象は配位子の重原子効果によるスピン軌道相互作用の増加に由来すると推察した。 ビスエノンの分子内環化付加反応をモデル反応として得られたクラスターの光レドックス触媒能を比較した。IrAu12-ClとIrAu12-Brクラスターはほぼ同じ触媒活性を示した。しかしながら、IrAu12-Iクラスターは光励起状態の寿命が減少したにも関わらず他のクラスターの倍以上の収率を示した。種々の解析の結果、ビスエノンの活性化のために添加しているルイス酸が、光励起されたクラスターの無輻射失活を誘起していることがわかった。IrAu12-Iクラスターは強固なAu-I結合を持つため、他のクラスターよりもルイス酸による失活が抑制され、高活性な光レドックス触媒としてはたらくことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
IrAu12クラスターの塩素配位子を他のハライド配位子で置換することに成功し、系統的に発光特性を評価した。重原子効果のため、ヨウ素配位子を導入するとリン光の量子収率が向上することが明らかになった。一方で、ヨウ素配位子によって光励起状態の寿命が短くなるにも関わらず、光レドックス触媒能が飛躍的に向上することがわかった。当初の予想に反する結果となったが、強固なAu-I結合が添加剤による光励起状態の失活を抑制していることを明らかにした。これらの知見は、今後、クラスターの発光機能や光触媒性能の開拓を進める上で、基礎的な設計指針をもたらすと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の結果から金属コアの表面と強く相互作用する配位子を用いることで、光触媒活性を劇的に向上させることがわかった。次年度は、結合の強さだけでなく、配位子のフロンティア軌道の準位を調整することで、光レドックス触媒能の向上を目指す。例えば、金属コアから配位子への電荷移動を誘起することで、基質とクラスター間の高効率の電子移動が実現できると考えられる。また、クラスターと基質の相互作用を使用した選択的な光レドックス反応にも挑戦する。
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