Project/Area Number |
23K19297
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0602:Agricultural and environmental biology and related fields
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
内堀 美和 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 研究員 (80724856)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | タバコカスミカメ / ゲノム編集 / 薬剤抵抗性 / 天敵 / ゲノム育種 / 薬剤抵抗性付与 |
Outline of Research at the Start |
天敵昆虫のタバコカスミカメは、環境保全型の害虫防除資材として市場販売されているが、 殺虫剤に対して非常に感受性が高く、殺虫剤と併用しにくいことが欠点である。この欠点を打破するために、育種による薬剤抵抗性の付与が考えられるが、本種の薬剤抵抗性遺伝子の機能解析は進んでいない。そこで本研究は、本種において、農業害虫等で特定された薬剤抵抗性原因遺伝子のホモログを探索し、ゲノム編集およびRNA干渉法により該当遺伝子の機能を検証することで、薬剤抵抗性を高める遺伝子の同定を目的とする。本研究により、薬剤抵抗性付与のための遺伝子が特定され、天敵昆虫のゲノム育種が可能になることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、IPM (Integrated Pest Management)の広域化に伴い、選択的なベンゾイルウレア系昆虫成長制御剤(BU系IGR剤)や、天然物由来のスピノシン系殺虫剤が主力になりつつあり、これらの殺虫剤に対して抵抗性を持つタバコカスミカメの育種が可能になれば、本種の利用機会は増加すると考えられる。しかし、本種のこれらの剤に対する薬剤抵抗性遺伝子の同定、解析は進んでいない。 農業害虫であるコナガやアザミウマ類において、BU系IGR剤に対してキチン合成酵素(CHS1)、スピノシン系殺虫剤に対してニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)を構成するα6サブユニットが、それぞれ抵抗性遺伝子として報告されている。そこで本研究では、タバコカスミカメのゲノム情報をもとに、CHS1およびnAChRのα6サブユニットのホモログを同定した。次に、これらの遺伝子の機能検証のために、タバコカスミカメの5齢幼虫にCHS1あるいはnAChR α6のdsRNAをマイクロインジェクションし、リアルタイムPCRにより接種7日後の遺伝子発現量が低下することを確認した。現在、ノックダウン個体の薬剤感受性試験を実施している。また、CRISPR/Cas9法によるゲノム編集法の確立に向けて、メス成虫の体腔に体色遺伝子(ebony)のsgRNAとCas9をマイクロインジェクションし、次世代幼虫のゲノムシーケンスを行い、最もゲノム編集効率が高くなる条件を探索している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画の通りであり、研究課題はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、探索しているゲノム編集の高効率条件を用いて、タバコカスミカメにおいてCHS1およびnAChR α6のゲノム編集を実施する。ゲノム編集した交配後代の薬剤感受性試験を実施し、感受性の強度と適応度コストについて調査する。
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