Project/Area Number |
23K19311
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0603:Forestry and forest products science, applied aquatic science, and related fields
|
Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
須藤 竜大朗 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 任期付研究員 (60981008)
|
Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 単板 / 合板 / LVL / 単板積層材 / 接着層 / 部分圧縮 / めり込み / 接着 |
Outline of Research at the Start |
部分圧縮性能は木材・木質材料を構造的に用いる際の重要な性能の一つである。また丸太をかつら剥きにして得られる単板を積層接着させた材料として合板及びLVLがあり、近年ではそれらの大断面化や利用法の多様化も進んでいる。したがって、これら単板積層材料の力学的特性の把握や性能誘導法の確立が求められている。単板積層材料の積層面に部分圧縮が生じた際、各単板の性能にくわえて接着層及び層構成が耐力に寄与するとされていた。しかしその定量的評価や機構解明には至っていない。本研究では接着層の力学的抵抗の発生機構として二種を考え、それぞれの定量的評価や関連因子による寄与分の変化を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
スギ単板とフェノール樹脂接着剤を用いて単板7層を重ねたLVL(繊維方向が全層同じ)と合板(繊維方向が直交する層を含む)を製造した。同様の単板を用いて接着せずに重ねたのみの試験体も作製した。接着の有無の条件の他、繊維方向・層構成・余長の有無・試験体高さの異なる試験体計240体を作製し、部分圧縮試験を実施した。 繊維方向が全層同じ試験体について、接着がある場合とない場合とでどれだけ強度が上昇したかを比較し、接着層自体の圧縮抵抗による寄与について考察した。接着によって強度は有意に上昇することが確認され、その差の絶対的な値は繊維平行方向が繊維直交方向より高かった。一方で余長の有無や試験体高さによってその値は大きく変化はしなかった。一方で強度の上昇率はどの仕様でも概ね等しかった。 繊維平行方向・直交方向のLVLの部分圧縮試験の結果から、荷重に対して繊維が平行な層と垂直な層の一層あたりの性能を計算し、単純な層の足し合わせによって合板の部分圧縮性能を推定した後、合板の部分圧縮試験の実験値と比較した。試験体高さが高くめり込み余長の長い仕様では推定値より実験値の剛性が高かった。層の繊維方向によって変形性状が変化するため、繊維方向が互いに垂直な隣接層からの変形拘束効果が予測されていたが、この結果でそれを確認できた。一方で余長が無かったり、試験体高さが低かったりした仕様では推定値より実験値の強度が低かった。繊維平行層は繊維直交層より早く降伏するが、推定では両者は独立して荷重負担するとしているため、平行層の降伏後も直交層は荷重上昇するとして性能推定を行っている。しかし実験では平行層の破壊に直交層が巻き込まれる破壊性状が確認され、これは各層が独立して荷重負担するという仮定と反するため、結果に影響したと考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間全体では接着の有無・層構成・余長の有無・試験体高さ・接着剤種類・樹種をパラメータとした実験を計画していた。現時点では計画全体の1/3の試験が終了している。実際に研究自体が始まったのが令和5年度の10月以降であること、実験工程の確立に時間を要することが予め想定できていたことから、前年度の2倍の実験は問題なく実施可能と考えている。また得られた結果も想定と大きく外れていなかったため、大きなトラブルは生じていない。したがって概ね順調に進展しているとみなしている
|
Strategy for Future Research Activity |
新たな樹種としてカラマツ単板、新たな接着剤としてユリア樹脂接着剤を用いて同様の試験を実施する。得られた結果からLVLの接着の有無による強度上昇について、接着剤の種類や樹種がどのように影響するかを考察する。また単純な層の足し合わせによって合板の性能を推定し、合板の部分圧縮試験の実験値と比較することで、直交層による隣接層の拘束効果が樹種・接着剤種によってどのように変化するかも考察する。また材や接着に関する物性値や強度値から、前述した強度上昇や拘束効果の耐力寄与を推定可能にする手法を構築する。
|