Project/Area Number |
23K19328
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0605:Veterinary medical science, animal science, and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平川 良太 東北大学, 農学研究科, 助教(研究特任) (80984012)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 種鶏 / 卵管 / 粘膜免疫 / IgA / 形質細胞 / ケモカイン / 母子移行免疫 / 抗体(IgA) / 腸内微生物 |
Outline of Research at the Start |
ニワトリを含む鳥類では、胚発生段階において、卵白・卵黄を介して種々の免疫成分(例:抗体)が親鳥から雛へと母子移行する。我々は、雛腸管では卵白由来の抗体IgAが特定の有用微生物の定着に寄与することで、健全な腸内微生物叢の確立を助長していることを見出してきた。卵白中にIgAが分泌されるためには、性成熟をきっかけにIgA産生細胞が卵管膨大部に集積することが不可欠であるが、卵管へのIgA産生細胞の遊走機序に関する理解は十分ではない。本研究では、卵管に集積するIgA産生細胞の遊走制御因子や、その由来と成り得る腸管関連リンパ組織を解析することで、ニワトリ母子移行型IgAの制御ポイントの特定に迫る。
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Outline of Annual Research Achievements |
性成熟後のニワトリ卵管(特に膨大部)には、IgA産生細胞が集積しており、その局在は上皮直下に特有に観察される。本研究では、雛の健全育成に関わる卵白中の母子移行型IgAの制御法確立に向けて、性成熟後の腸管から卵管上皮直下へのIgA産生細胞の遊走機序に関する詳細な理解を目指す。初年度は、卵管に向けたIgA産生細胞の集積が性成熟をきっかけとしたものであることを検証するべく、性成熟前の雌肉用鶏に対して、Estradiol、Progesteronを2段階の濃度でそれぞれ投与し、卵管でのIgA産生細胞の数や局在を調べた。その結果、性ホルモン投与区では、卵管の上皮細胞の形態学的変化に加え、IgA産生細胞の上皮直下での集積を確認することができた。したがって、IgA産生細胞の卵管での集積は、血中の性ホルモン濃度に依存的であると考えられた。続いて、種鶏、5週齢鶏(無処理)、5週齢鶏(性ホルモン投与)の卵管膨大部からRNAを抽出し、遺伝子の発現量を網羅的に解析した。発現変動遺伝子の抽出により、種鶏と5週齢鶏(性ホルモン投与)で共通して上昇しているリガンド候補を選抜することができた。今後、リガンド候補のうち、卵管上皮直下で遺伝子発現量が高値を示すものをレーザーマイクロダイセクション法で選定し、そのリコンビナントタンパク質の作出を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、当初の計画通りに卵管に向けたIgA産生細胞の遊走に関わるリガンド候補の選抜まで完了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に選抜したリガンド候補(複数種)のリコンビナントを作出し、IgA産生細胞に遊走活性を示すリガンドXを細胞遊走試験で特定する。続いて、リガンドXに対する受容体候補(複数種)を強制発現させた細胞を用いて、リガンドXに対する細胞遊走試験を実施する。以上の試験を通じて、性成熟後の卵管に集積するIgA産生細胞の遊走制御因子(リガンド、受容体)を明らかにし、幼若雛の腸内微生物叢の確立に深く関わる母子移行型IgAの制御ポイントの特定に迫る。
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