Project/Area Number |
23K19330
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0605:Veterinary medical science, animal science, and related fields
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
伊藤 大裕 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (80981092)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | フリーズドライ精子 / 出産率 / 遺伝資源 / 形態評価 / 染色体分配異常 / DNA損傷 / シート保存 |
Outline of Research at the Start |
哺乳類精子は研究や畜産、生殖補助医療をはじめ、世界で広く保存されているが、液体窒素などを利用した超低温保存には維持費用がかかり、万が一溶けてしまった精子は利用できなくなる。フリーズドライ技術は、精子を簡便に長期室温保存することができるが、出産率が低い。本研究の目的は、フリーズドライ精子の低い出産率を新鮮精子と同程度まで改善することであり、低出産率の原因と解決策を明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、遺伝資源の長期常温保存技術の実用化を目指し、フリーズドライ精子の出産率改善を目指している。哺乳類精子は世界中の液体窒素や超低温の冷凍庫で保存されているが、保管庫の維持には液体窒素や電力の絶え間ない供給による高額な維持費用が伴ううえ、事故などが発生した場合には適切な保冷環境が保たれない事態も想定される。インスタント食品などの製法で知られるフリーズドライ技術をマウス精子に用いると、精子を常温でも長期保存できるが、新鮮精子と比較すると出産率が著しく低下してしまいその原因と解決策は確立されていない。 出産率が高い精子の選別方法について、倒立顕微鏡上でのフリーズドライ精子の形態評価が有効かどうかを検討した。形態の評価は、フリーズドライ後に尾部が頭部に結合し残存している精子と、フリーズドライ処理によって尾部が頭部から切り離れた精子を倒立顕微鏡上で選り分け、DNA損傷率や顕微授精後の出産率の比較を行った。その結果、精子DNA及び核の損傷度合い、そして顕微授精胚の出産率は、精子尾部の有無によらないことが明らかとなった。本結果は、出産率の高いフリーズドライ精子の選別方法の確立には至らなかった。しかし、マウスの顕微授精では、精子の注入前に尾部を切り落として頭部のみを未受精卵へ注入する。そのため本方法は、今後フリーズドライ精子の顕微授精胚を作出し、出産率が高い精子の検討を進めるうえで、実験効率の改善に利用することができる。本成果は、学会発表(第116回日本繁殖生物学会大会)し、国際誌への論文投稿準備を進めている。 卵子の調整については、数種類の方法に基づいて作出した卵子を用いて異常な染色体分離の出現頻度や出産率を調査する方法について検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
出産率が高い精子の選別について、精子の形態評価が有効かどうか検討を進めることができた。成果の一部は学会発表したほか、国際誌への論文投稿準備を進めている。また本方法によって、精子選別に関する次年度の検討を効率よく進めることが可能になった。また卵子の調整方法についても、基本となる処理過程や評価方法について方針を固めることができたため、次年度は本方法を用いて計画を遂行したいと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、初年度までに得られた結果をもとに、引き続き研究実施計画に記載した項目について、精子選別及び卵子の調整方法について検討を進めていく。また得られた成果は随時、国内外の学会や論文で積極的に発表していきたい。
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