Project/Area Number |
23K19336
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0605:Veterinary medical science, animal science, and related fields
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
立本 完吾 神戸大学, 保健学研究科, 保健学研究員 (40946117)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | SFTSV / 野生動物 / リンパ球 / PBMC / マダニ媒介性感染症 / 伴侶動物 / 重症熱性血小板減少症候群ウイルス / マダニ媒介感染症 |
Outline of Research at the Start |
SFTSVは様々な動物種に感染性を有する。SFTSVに関する疫学研究ではネコやイヌに高い致死率と病原性が知られている。それに対し流行地におけるアライグマ、シカ及びイノシシでは高い抗体陽性率を示すことから、ウイルス感染に対し、感受性を有していることが考えられるが、病原性はSFTSVに感染した野生動物の多くは感染後生存しており、低いものと考えられる。本研究は伴侶動物及び野生動物由来の末梢血単核細胞(PBMC)を用いるin vitro の実験系を用いて、様々な動物種のSFTSVに対する感受性及び感染性を評価するものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、ヒトをはじめネコやイヌで極めて高い致死率を示すマダニ媒介感染症である。野生動物における疫学研究から、同じ流行地において大型草食動物と比較し、食肉目に属する野生動物で血液中のウイルス遺伝子保有率が高い傾向にあることを明らかとなった。しかし、野生動物をはじめとする動物におけるSFTSVに対する詳細な感受性、病原性は未だ不明な点が多い。本研究はSFTSVの主要な標的細胞と考えられるリンパ球への感染性を評価する為に、動物の末梢血単核細胞(PBMC)へのSFTSV感染実験を行うこ とで、動物種間におけるSFTSVの感染性及び感受性の違いを解明するものである。ヒトのSFTS発症例ではリンパ組織や非リンパ系臓器においてSFTSVに感染したB細胞多く認められており、B細胞が形質細胞へ分化する過程である形質芽球にSFTSVが感染することが病態発生に重要な感染機構であるとされている(Suzuki.T. et al., 2020.)。又、ヒトの形質芽球の由来と特徴を有する細胞株においてもSFTSVの高い感染性を示す。 本研究は、様々な動物種別のPBMC及びリンパ球由来の細胞におけるウイルス感染を評価することで、動物における感受性や病原性を評価するものである。 現在までに、伴侶動物であるイヌのPBMCを用いて感染実験を行いフローサイトメトリーによるSFTSV感染評価法の条件検討実験、及び、ネコのリンパ球由来細胞株であるFL‐74を用いたSFTSV感染性の評価を実施している。予めSFTSVに対する感受性を有していることが知られているヒト単球由来細胞株であるTHP-1細胞を陽性対象とし、FL‐74への感染をフローサイトメトリー法により評価した結果では明らかに低い感染性を示すことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究ではin vitroの細胞系を用いた様々な動物種のリンパ球への感染性の評価を実施している。現在までに、動物血液由来のPBMCを用いたSFTSVの感染実験とその解析法であるフローサイトメトリーの実験条件の検証を行っている。これまでに、イヌより採取した血液材料から分離したPBMCにおけるSFTSVの感染実験を実施した。又、その感染細胞を用いたフローサイトメトリー解析を実施し、実験に用いる抗体等の反応条件を検討している。 また、PBMCを用いた実験には解析系の条件検討に時間がかかる為、動物のリンパ球由来の細胞株を用いたSFTSVの感染実験を進めている。現在までに、感染性が知られているヒト単球由来細胞株であるTHP-1細胞を陽性対象とし、ネコのリンパ球由来細胞株であるFL-74 におけるSFTSVの感染性評価を実施した。 申請者は昨年、研究機関の移動を実施したことにより、大きな研究環境の変更が生じた。その為、改めて実験系の検証及び実験環境の整備を行っており、大きな遅延が生じているまた、実験に供する野生動物及び伴侶動物由来の血液材料の収集は継続して実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
今回、研究機関の変更の為、実験環境の設定及び解析方法の立ち上げを実施している。アライグマやイノシシ、シカといった野生動物及びイヌやネコ由来の血液材料は研究協力者の協力の元、引き続き検体収集を実施する。動物由来のPBMCを用いた実験では、感染したPBMCにおけるフローサイトメトリー解析に加え、リアルタイムPCRによりSFTSVの感染評価を行う。PBMCを用いた感染実験には試験系の設定に時間を要しているため、細胞株を用いた試験の解析を同時並行で実施する。現在、野生動物のリンパ球を由来とした細胞株を研究協力を受けて実験に供する計画している。ヒトを対象とした先行研究ではリンパ球由来の複数種類の細胞株を用いることで、形質芽球の性質を有する細胞株に高い感染性を有することが示された。同じように、異なる動物種においても株化細胞を用いることで異なる性質を有するリンパ球由来細胞株へのSFTSVの感染性を評価を実施する。
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