Project/Area Number |
23K19343
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0701:Biology at molecular to cellular levels, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大前 公保 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任研究員 (10978828)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ゲノム / 微生物 / 機能未知遺伝子 / 進化 / バイオインフォマティクス |
Outline of Research at the Start |
遺伝資源が持つ膨大なポテンシャルを引き出すためには、配列データベース中に急増している機能未知遺伝子の機能を、配列類似性に依らずに推定する新たな情報技術の開発が欠かせない。応募者は、機能的に補完関係にある(相互排他的な分布を示す)遺伝子の組を検出する高速な比較ゲノムパイプラインを開発し、大規模微生物ゲノムデータを入力することで、多数の機能未知遺伝子の機能を推定するデータベースを構築した。本研究では、推定の正しさを実験的に検証し、本データベースの有用性を示す。また、オープンアクセスなリソースとして整備し、遺伝資源の開発を促進することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
機能推定を行った複数の機能未知遺伝子の内、申請者は SbcCD と機能的に補完関係にあると推定される遺伝子 X に特に注目した。SbcCD は DNA 修復やゲノム複製の終結などの役割を担い、真核生物やウイルスを含む全生物ドメインに保存される、極めて重要なエンドヌクレアーゼである。遺伝子 X は広範な原核生物系統で SbcCD と相互排他的な分布を示し、同等の役割を持つ新規ヌクレアーゼと推定された。シンテニー解析の結果、遺伝子 X の近傍に DNA 修復・組み換え酵素、ヘリカーゼ、制限酵素、ヌクレオチド転移酵素などの核酸関連遺伝子をコードするゲノムが多く認められ、遺伝子 X がヌクレアーゼである可能性を支持した。系統解析および立体構造予測の結果、遺伝子 X はヌクレアーゼに特徴的なドメインを保存する一方で、多様な構造をとることが分かった。本結果をもとに、複数系統の遺伝子 X 配列を合成し、大腸菌の SbcCD 欠損株で発現させて機能解析を試みる。 原核生物の生存に必須である脂質輸送に関わると推定された機能未知遺伝子 Y についても、同様に配列情報の解析を行った。遺伝子 Y は脂質輸送体に特徴的なゲノミックコンテキスト、および構造を保持することを明らかにし、プロトンが結合することで開閉するメカニズムの推定に至った。合成した遺伝子 Y を大腸菌で発現させることで、本仮説を検証する。また、モデル古細菌を用いた遺伝子 Y 破壊株の作製も行い、表現型を詳しく調べる。 開発したデータベースについては生息環境情報などのメタデータを統合することで、補完関係にある遺伝子ペアの背景にある進化的メカニズムの知見獲得、およびさらなる機能未知遺伝子の機能推定に繋がった。現在は統合した情報も含めたデータベースの公開準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
大腸菌の変異株作成は概ね予定通り進んでおり、遺伝子合成は完了している。また、配列情報解析で予定以上に詳細な遺伝子機能予測が達成できた他、機能が推定できた機能未知遺伝子もさらに増やすことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子 X/Y について、大腸菌を用いた発現スクリーニングや、モデル古細菌を用いた表現型解析などの詳細な機能解析に舵を切る。また、予定通りに実験が進まないことも想定し、他に機能を推定した機能未知遺伝子についても詳細な解析を並行して進める。
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