Project/Area Number |
23K19352
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0701:Biology at molecular to cellular levels, and related fields
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
根本 悠宇里 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 助教 (30975545)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 細胞膜 / 細胞膜張力 / 細胞―細胞間融合 / アクチン細胞骨格 / BARスーパーファミリー / ライブイメージング / 細胞融合 / 人工生体膜 / イメージング |
Outline of Research at the Start |
細胞-細胞間融合により多核細胞を形成する「細胞融合」は、受精や胎盤形成、感染症など多様な生命現象に関与するが、細胞同士の融合面(細胞融合シナプス)において、向かい合う細胞膜が融合に至る詳細な分子メカニズムは不明である。申請者は最近「細胞膜張力が細胞融合を制御すること」を示す予備データを得た。そこで本研究では、細胞融合を制御している膜張力センサー分子を同定し、これまでとらえられていない細胞融合面での分子動態を明らかにする。細胞と人工生体膜による再構成系を用いた細胞融合面の垂直方向イメージングにより、融合の瞬間を世界で初めてとらえることで、細胞同士の融合に至る動的な分子メカニズムの解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「細胞膜張力の制御」という観点から細胞―細胞間融合を実現する動的な分子メカニズムの解明を目的とする。使用する細胞―細胞間融合のモデルとして、最もシンプルな系の1つとして知られているウイルス感染細胞の系を選択した。申請者は、コロナウイルス(SARS-CoV-2)由来タンパク質Spikeの発現を制御することにより、人為的にウイルス感染細胞の細胞融合を再現できる細胞株を樹立した。はじめに、アクチン細胞骨格の制御因子の細胞融合に対する役割を阻害剤を用いて検証したところ、Arp2/3複合体がSpikeを介した細胞融合に必要なこと、反対にアクトミオシンの活性が細胞融合を阻害することを見出した。さらに、アクチン重合のマスター制御因子であるRac、Rhoの関与についても同様に検証したところ、RacとRhoの活性制御が細胞融合を担っていることが示唆された。次に、細胞膜直下でArp2/3複合体を介したアクチン重合を活性化し、細胞膜の変形とアクチン動態をコントロールしているBARタンパク質に着目した。BARスーパーファミリーの網羅的RNAiスクリーニングを行い、いくつかのBARタンパク質がSpikeを介した細胞融合に影響を与えることを確認した。現在、これらのBARタンパク質について、過剰発現の細胞株を作製してさらなる解析を行うとともに、人工生体膜を用いた再構成系でのライブイメージング実験の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標であったBARスーパーファミリーの網羅的RNAiスクリーニングを終え、細胞―細胞間融合の責任因子の候補を絞り込むことができた。絞り込んだ結果をもとに、次のイメージング実験の準備を進めており、本年度は、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、絞り込んだBARタンパク質のライブイメージングを行い、細胞―細胞間融合時の分子の局在を明らかにする。さらに、人工生体膜を用いた再構成系での観察により、細胞融合の瞬間のBARタンパク質、アクチン細胞骨格、膜タンパク質のダイナミクスを明らかにする。
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