Project/Area Number |
23K19354
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0701:Biology at molecular to cellular levels, and related fields
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
菊池 涼夏 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 特別研究員 (60984391)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 核内倍加 / 染色体 / 細胞体積 / 細胞成長 / シロイヌナズナ / Whole mount FISH |
Outline of Research at the Start |
核内倍加は様々な生物種に見られる現象であり、特に植物においては細胞体積増大との関連が示唆されている。本研究では、シロイヌナズナの葉全域を対象としたWhole-mount FISHにより、核内倍加レベルに比例した細胞体積増大が生じる表皮細胞と明確な比例関係が見られない柵状組織の細胞それぞれについて、染色体動態と細胞体積との関連を明らかにする。さらに、変異体の解析や細胞種特異的に発現変動する遺伝子領域の染色体構造の解析も行い、染色体動態の変化が細胞種ごとの成長制御に及ぼす影響について検証を行う。これらの解析により、「核内倍加に伴う細胞の成長制御メカニズム」の解明に貢献する新知見の獲得を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、シロイヌナズナの葉全域を対象としたWhole-mount FISH (WM FISH)により、染色体動態の変化、核内倍加レベル、細胞体積の三者の関係を細胞種ごとに解析するというアプローチを通して、「核内倍加に伴う細胞の成長制御メカニズム」の解明に貢献する新知見の獲得を目指す。初年度(2023年度)には、シロイヌナズナの葉全域を対象としたWM FISHの手法確立に取り組んだ。申請者が以前に確立した根端のWM FISHの手法をベースに条件検討を行い、葉のほぼ全域の形状を維持した状態で行うWM FISHの適切な実験条件(酵素処理条件、共焦点レーザー顕微鏡での撮影条件など)を決定することに成功した。このWM FISH法により、核内倍加レベルに比例した細胞体積増大が生じる表皮細胞と、明確な比例関係が見られない柵状組織の細胞それぞれについて、FISHシグナルの数・分布の定量化による染色体動態の解析が可能となった。細胞体積の定量解析のための画像処理の最適化が課題として残されているものの、本研究の基盤となる実験手法を確立できたという点で進展があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始当初、初年度(2023年度)に計画していた研究内容は、(I)シロイヌナズナの葉全域を対象としたWhole-mount FISHの手法確立と、(II)「①染色体動態の変化」「②核内倍加レベル」「③細胞体積」の三者の関係に関する予備的な解析を行うことであった。2023年度終了時までに、各組織の細胞の位置関係を維持した状態で行う葉のWM FISHの実験条件の決定に成功しており、手法確立の面では順調に進んでいる。この手法を用いることにより、各細胞における「①染色体動態の変化」と「②核内倍加レベル」を、それぞれFISHシグナルの数・分布および核体積から推定することが可能となったため、現在予備的な解析を進めている段階である。一方で、「③細胞体積」の定量測定にあたり、各細胞を正確にセグメンテーションすることが課題として残されている。当初2023年度に計画されていた研究内容のうち、細胞体積の定量化のための画像処理条件の決定が次年度に持ち越されたことから、本研究の進捗状況はやや遅れているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度(2024年度)には、葉のWM FISH解析における細胞体積の定量化法の確立に取り組み、シロイヌナズナ野生型の葉について「①染色体動態の変化」「②核内倍加レベル」「③細胞体積」の三者の関係を解析する。その後、染色体の接着に関わるコヒーシンのサブユニットの変異体、染色体の凝縮・分離に関わるコンデンシンのサブユニットの変異体に関しても、野生型と同様に解析を行う。また、核内倍加に伴うクロマチン構造変化に細胞種間での違いがあるかを検証するため、ヘテロクロマチン化の指標となるH3K27me3などを標識する蛍光抗体染色による解析も計画している。これらの解析結果を踏まえ、核内倍加に伴う染色体動態の変化とその影響を詳細に明らかにするとともに、染色体動態変化と細胞種ごとの細胞の成長制御との関連性の有無を検証する。
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