Project/Area Number |
23K19422
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0801:Pharmaceutical sciences and related fields
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
爲本 雄太 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (00982159)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 腹腔内投与 / 腹膜播種 / LC-MS/MS / 生理学的薬物速度論 / ドラッグデリバリーシステム |
Outline of Research at the Start |
腹膜へのがん転移である腹膜播種に対して、血管から投与された抗がん剤の送達性は低い。そのため腹腔内に直接抗がん剤を注入する腹腔内(i.p.)化学療法の臨床試験が試みられているが標準療法には至っていない。i.p.投与された抗がん剤が薬効を示すためには、腹腔内に滞留し腫瘍に曝露する必要がある。しかし腹腔内滞留性に関する基礎情報は、薬物側および生体側の両方で乏しい。本研究では、腹腔内滞留性に及ぼす薬物の水溶性や疎水性などの物性及び、がん病態ごとの腹水環境の影響を解明し、i.p.投与がヒト臨床においてこれまで困難であった腹膜播種治療を拓く有用な投与経路であることを実証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
腹膜へのがん転移(腹膜播種)に対して、血管から投与された抗がん剤の送達性は低い。そのため腹腔内に直接抗がん剤を注入する腹腔内(i.p.)化学療法の臨床試験が試みられているが標準療法には至っていない。i.p.投与された抗がん剤が薬効を示すためには、腹腔内に滞留し腫瘍に曝露する必要がある。しかし腹腔内滞留性に関する基礎情報は薬物側および生体側の両者で乏しい。本研究では、腹腔内滞留性に及ぼす薬物の水溶性や疎水性などの物性およびがん病態ごとの腹水環境の影響を解明し、難治性腹膜播種治療を拓く有用な投与経路としての抗がん剤i.p.投与の確立を目的とする。 2023年度はマウス大腸がん腹膜播種モデルに対して、6種の低分子抗がん剤を投与し、投与後の抗がん剤の体内動態を解析した。また血漿/腹水を用いた平衡透析法による抗がん剤の遊離形分率を測定した。検討した薬物において、一般には投与経路によらず抗がん剤の血中からのクリアランスは同程度で、遊離形分率が大きい薬物の方がバイオアベイラビリティは大きい傾向が認められたが、一部例外は存在した。現在、解析対象とする抗がん剤の拡充(腹腔内腫瘍に対して適用がある抗がん剤を中心に10~20種程度)と、大腸がん以外のマウス腹膜播種における抗がん剤の体内動態解析を行う予定である。また2次元電気泳動法やショットガンプロテオミクスに基づく、モデル間の血漿/腹水中タンパク質の差異に関する検討を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床で腹膜播種治療に用いられる低分子抗がん剤の腹膜播種モデルにおける血中/腹水中薬物動態解析は終了している予定であったが、共通機器であるLC-MS/MSの故障により、若干の遅れが生じたため。一方、2024年度実施予定だった生理学的薬物速度論モデル解析の準備を進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に取得したサンプルに基づき、マウス大腸がん腹膜播種モデルにおける低分子抗がん剤の体内動態解析を進めるとともに、解析対象を膵臓がんなど他のがん種へ拡張するなど、当初の研究計画に従って進める予定である。また、研究代表者とともに本研究を実施する薬物動態学に精通した学部生・大学院生の育成は急務であるが、研究・教育の環境整備を進めることで、研究計画を着実に進めることができると考えている。
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