Project/Area Number |
23K19462
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0803:Pathology, infection/immunology, and related fields
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
遠藤 将大 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (80982264)
|
Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 制御性T細胞 / 胸腺 / 分化・発生 / TCRシグナル / CD69 / S1P1 |
Outline of Research at the Start |
制御性T(Treg)細胞は、自己反応性の抗原受容体(TCR)を発現した免疫抑制能を有する細胞であり、自己免疫疾患や炎症性疾患の抑制に極めて重要な働きをする。 CD69は、TCR刺激依存的に発現誘導され、CD69を発現した細胞の組織内維持に関わる分子である。Treg細胞は自己抗原を認識することでCD69を恒常的に発現することから、Treg細胞の分化や機能にCD69が関与することが想定されるが、その詳細は不明である。そこで本研究では、『Treg細胞の胸腺内分化と組織常在性Treg細胞の機能におけるCD69の機能』を明らかにすることで、『Treg細胞の組織恒常性維持の新規機能の解明』を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、制御性T(Treg)細胞の胸腺内分化と組織常在性Treg細胞の機能におけるCD69の機能の解明を目指し、研究を進めた。 本年度では、とりわけTreg細胞の胸腺内分化におけるCD69の重要性に着目し、(1) 胸腺内T細胞のTCRシグナル受容におけるCD69の重要性の解明、(2) CD69の負の選択に対する影響の解析、(3) CD69の機能ドメインの解析、を進めた。 CD69はTCRシグナルを受容した細胞群で発現が認められることから、CD69欠損胸腺内T細胞の各分化過程におけるTCRシグナル強度を評価した。また、胸腺内Treg細胞分化には強いTCRシグナルを必要とすることから、CD69の発現は胸腺内T細胞のセレクション、すなわち負の選択に影響を及ぼす可能性が考えられ、負の選択を受けている細胞やクローン除去率の検証を行なった。さらに、CD69は3つの異なる機能ドメイン(細胞外、膜貫通、細胞内)から成るため、CD69自体の細胞内へのシグナル伝達の可能性が考えられ、CD69の細胞内ドメインを欠損させた変異マウスを作製し胸腺内Treg細胞分化への影響を評価した。 その結果、CD69はTCRシグナルの受容を何らかの方法で補助し、負の選択やクローン除去の誘導に寄与していることを明らかにした。また、CD69の細胞内ドメイン欠損は野生型より胸腺内Treg細胞の割合が減弱したことから、何らかのシグナルを細胞内へ伝えている可能性を見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度では、胸腺内Treg細胞分化におけるCD69の機能について「TCRシグナルに対するCD69欠損の及ぼす影響」という観点から解析を行なった。胸腺内Treg細胞への分化には強いTCRシグナルを必要とすることから、胸腺内T細胞の分化段階を様々な遺伝子発現をもとに区別し、CD69欠損の影響がどの分化段階から生じるのかを明らかにした。さらに、CD69の細胞内ドメインを欠損したマウスについて、胸腺内Treg細胞への分化にはCD69の細胞内も重要な役割があることを示唆した。 以上の進捗状況から、本研究はおおむね順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、特に、Treg細胞分化運命決定におけるCD69の関与やCD69のリガンド・CD69を介した細胞内シグナル伝達機構の同定を目的に、各分化過程におけるエピゲノム解析、CD69の新規細胞内ドメイン点変異マウスの作製・解析を進めていく。また、CD69の細胞外ドメインの重要性を検討するために、抗CD69抗体投与による胸腺内Treg細胞分化に及ぼす影響を検証する。さらに、CD69のリガンド同定とその発現細胞の候補の探索をSingle-cell RNA-seqを用いて進めていく。 また、Treg細胞特異的にCD69を欠損したマウスにおいて、肺組織特異的な炎症が観察されたことから、組織常在性Treg細胞のCD69の機能を明らかにするため、Single-cell RNA-seqを行い肺炎症発症の原因を探索する。
|