Project/Area Number |
23K19496
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0901:Oncology and related fields
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
柴崎 雄太 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (60985159)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | LAT1 / アミノ酸トランスポーター / 化学療法 / 免疫療法 / 大腸癌 / mTOR / オキサリプラチン / 免疫チェックポイント阻害剤 |
Outline of Research at the Start |
大腸癌は本邦で罹患率1位、死亡率2位の疾患であり治療成績向上は喫緊の課題である。現在切除不能や再発症例では抗癌剤を中心とした集学的治療が標準的治療法である。5FUやオキサリプラチン、イリノテカンを中心とした2剤または3剤併用療法が標準治療であるが、多くは経過中に薬剤耐性で治療効果がなくなるため、治療効果、レジメンの選別、そして予後予測マーカー開発と新規治療標的の創出が望まれる。本研究では癌細胞特異的に発現するアミノ酸トランスポーター(L-type amino acid transporter 1:LAT1)に着目し、LAT1発現が抗癌剤、免疫療法、腫瘍微小環境に与える影響を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では癌細胞特異的に発現 するLAT1に着目し、LAT1発現が化学療法、免疫療法、腫瘍微小環境に与える影響を解明することを目的とした。 現在LAT1と化学療法、免疫療法との関係を表す報告はあるが一定の見解を得られていないのが現状であり、1) 癌部ならびに免疫細胞のLAT1発現が化学療法だけでなく免疫チェックポイント阻害剤 (ICI)の感受性を予測するマーカーになりうるか、2) LAT1阻害と抗癌剤 (オキサリプラチン、ICI)を併用する治療戦略が腫瘍微小環境 (腫瘍細胞、線維芽細胞、免疫細胞)に与える影響、3) 従来の癌でLAT1を阻害する際の利点 (抗腫瘍効果)と阻害することによる副作用 (免疫細胞への影響) 、について検討している。 これまでに大腸癌切除症例を用いてLAT1発現を検討しLAT1の高発現が有意な予後予測マーカーであることを報告した。また術後補助化学療法施行例ではLAT1発現がオキサリプラチン耐性に関与し、オキサリプラチン誘導性mTORシグナルをLAT1抑制が制御することを報告した。一方でその他のレジメン(UFT/LV, Capecitabine単剤)では予後との相関はなかった。 免疫療法に関してはICIによる治療を受けた切除不能進行再発大腸癌の腫瘍組織検体を用いて、癌部ならびに間質免疫細胞のLAT1発現と抗癌剤感受性、予後との関係を解析中である。また新規マウス腫瘍モデルを用いて抗PD-L1抗体投与が、抗原特異的CD8T+細胞(CTL)発現に及ぼす影響について基礎データを収集している。先行研究の肺癌細胞の実験系で、抗PD-1抗体を投与することで、抗原特異的CD8T+細胞(CTL)が誘導されることを確認した。 いずれの結果もLAT1、化学療法、腫瘍免疫の関連の解明が切除不能進行大腸癌の治療効果を改善し、革新的大腸癌治療への臨床応用の橋渡しとなると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト大腸癌細胞株、マウス大腸癌細胞株による新規マウス腫瘍モデルを用いた、LAT1阻害剤による腫瘍細胞、腫瘍免疫の検証については実験系の立ち上げが遅れている。このため細胞実験、動物実験については、実験計画と比して遅延がみられている。
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Strategy for Future Research Activity |
オキサリプラチンレジメンによる抗癌剤治療を受けた進行再発大腸癌患者腫瘍組織検体を用い、癌部と間質免疫細胞のLAT1発現と抗癌剤感受性、予後との関係を解析する。またICIによる治療を受けた進行再発大腸癌の腫瘍組織検体を用いて、癌部ならびに間質免疫細胞のLAT1発現と抗癌剤感受性、予後との関係を解析する。 細胞実験では LAT1阻害剤がヒト大腸癌細胞株 (HCT116, DLD1)、マウス大腸癌細胞株 (CT26, MC38)の増殖能、オキサリプラチン感受性、ICI感受性に与える影響を評価する。 動物実験ではヒト大腸癌細胞株 (HCT116, DLD1)を用いた異種移植担癌モデルマウス (皮下移植)、マウス大腸癌細胞株 (CT26, MC38)を用いた同種同系担癌モデルマウス (皮下移植)による実験系の安定化をはかり、LAT1阻害と腫瘍免疫の関連について解析を進める。
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