Project/Area Number |
23K19499
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0901:Oncology and related fields
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
奥野 圭祐 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (20888648)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 胃癌 / リンパ節転移 / DNAメチル化 / リキッドバイオプシー / 予測モデル / バイオマーカー |
Outline of Research at the Start |
早期胃癌のリンパ節転移頻度は、pT1a胃癌3%、pT1b胃癌20%程度で、リンパ節転移のない患者が大多数である。しかしながら、術前・術中にリンパ節転移の正確な診断が困難であることから、多くの患者が胃切除術やリンパ節郭清などの治療を受けている。胃切除術後の消化器機能障害や手術侵襲の観点からも、術前にリンパ節転移を正確に予測し、早期胃癌患者に最適な治療を提供することが望まれる。本研究では、近年癌の新規バイオマーカーとして注目されている、DNAメチル化を指標とし、簡便かつ汎用性が高いPCR法を用いたリンパ節転移予測リキッドバイオプシーバイオマーカーモデルを開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
①公共データベースを用いた早期胃癌のリンパ節転移に特異的なDNAメチル化の異常の同定:公共データベースであるThe Cancer Genome Atlas (TCGA)のDNAメチル化アレイ(99例)の解析を行った。このDNAメチル化アレイは、約450000ヶ所のDNAメチル化レベルについて網羅的に解析したものであり、インターネット上にデータが公開されている。データをダウンロードし、リンパ節転移陽性群・陰性群におけるメチル化レベルの違いとP値を使って、早期胃癌のリンパ節転移患者に特異的に認めるDNAメチル化異常107個を同定した。続いて、その107個の異常から、染色体上の位置を考慮し、6個の領域を早期胃癌のリンパ節転移を予測するバイオマーカーとして同定した。 ②臨床検体を用いたDNAメチル化バイオマーカーモデルの開発:①で同定したバイオマーカーをメチル化PCRに応用するために、同定した6個の領域について、MethPrimer-Designを用いて、メチル化PCR用のプライマーを作成した。プライマー精度を確認後、臨床検体での検証を行った。臨床検体は、当院で外科的切除が施行された早期胃癌153例の外科手術検体のホルマリン切片から抽出したgenomic DNAを使用した。ホルマリン切片の準備とgenomic DNAの抽出を行い、作成したプライマーを用いて、早期胃癌153例のgenomic DNAでメチル化PCRを行い、バイオマーカーの検証を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究目的である、①公共データベースを用いた早期胃癌のリンパ節転移に特異的なDNAメチル化の異常の同定、②臨床検体を用いたDNAメチル化バイオマーカーモデルの開発、③開発したDNAメチル化バイオマーカーモデルのリキッドバイオプシーへの応用のうち、①は完了し、②を進行中である。②についても、153例のgenomic DNAの抽出はほぼ終了し、現在メチル化PCRを進めている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究目的の②臨床検体を用いたDNAメチル化バイオマーカーモデルの開発、③開発したDNAメチル化バイオマーカーモデルのリキッドバイオプシーへの応用を進めていく。現在、②のDNA抽出を完了し、メチル化PCRを進めている段階である。メチル化PCRが完了次第、PCRデータの解析を行う。解析は、多重ロジスティック回帰分析を使用してリンパ節転移予測パネルを作成し、その精度、感度、特異度などについてReceiver operating characteristics (ROC)カーブ解析を用いて検討する。加えて、既存のガイドラインでリンパ節転移予測に用いられる、深達度や腫瘍径、脈管侵襲などの因子との精査の比較を行う。 最後に、③開発したDNAメチル化バイオマーカーモデルのリキッドバイオプシーへの応用を行う。術前に採取した血液検体からcell-free DNAを抽出し、そのcell-free DNAを用いてメチル化PCRを行い、②と同様に解析を行い、簡便かつ汎用性が高いメチル化PCR法を用いた早期胃癌のリンパ節転移予測リキッドバイオプシーバイオマーカーモデルを開発する。
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