Project/Area Number |
23K19523
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0901:Oncology and related fields
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
山崎 匡太郎 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), 生命創成探究センター, 特任助教 (20981624)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | elephant / chromosome engineering / MAC / carcinogenesis / animal model |
Outline of Research at the Start |
癌は人類の健康的な生活を脅かす主要な疾患であり、多くの研究者によって様々な治療法が確立されつつある。しかし、治療による副作用や高額な医療費という問題が依然存在し、癌の発症自体を防ぐ予防法の確立が求められている。本研究の目的は、長い生涯を通して発癌を強力に抑制するゾウの発癌抑制機構を付与したゾウ化マウスを作製することで、癌を発症しやすい動物としにくいゾウの発癌抑制メカニズムの相違点を明らかにすることである。申請者が専門とする染色体工学技術は、ゾウ発癌抑制機構のように異種の遺伝子機能を時空間的発現制御様式ごとマウスに付与する際に有用である。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で、ゾウがもつ発癌抑制機構への寄与が示唆されている遺伝子(LIF6, TP53RTG12)が報告されている。それらの遺伝子その制御領域を含むDNA配列を導入することで、マウス(細胞)に発癌耐性能を賦与すること、その発癌抑制機構のメカニズムを解明することが、本研究課題の目的である。 強制発現ではなく、発癌初期のDNAダメージのようなイベントに応じた発現様式を再現することが肝要であるため、マウス人工染色体ベクター(MAC)へゾウの当該領域を搭載したLIF6-MACを作製し、これをチャイニーズハムスターCHO細胞からマウスNIH3T3細胞とマウスES細胞に移入した細胞株をそれぞれ樹立してきた。 NIH3T3(LIF6-MAC)とmES(LIF6-MAC)のそれぞれについて、DNAダメージ(4種類の方法)に対するLIF6の遺伝子発現を、RT-qPCRによって調べた。しかし、ゾウ細胞でのLIF6遺伝子発現に比較して数倍程度発現が低い、または遺伝子発現が誘導されていない結果を得た。これは、ゾウLIF6の遺伝子発現制御領域がマウスのシス因子に適合していないことを示唆している。そこで、ゾウLIF6の発現制御領域に変異を導入したLIF6mut-MACを作製した。このように発現制御領域をマウスへ最適化したことで、ゾウLIF6がDNAダメージに応答した発現動態を示すようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ゾウの遺伝子発現制御領域がマウスの中で機能しない可能性は予め見込んでいたため、比較的早期に、変異を導入したLIF6mut-MACの作製に取り掛かることができていたものの、その分の遅れが発生した。 TP53RTG12遺伝子と制御領域の搭載では、クローニングする領域がパラログ遺伝子(TP53RTG1~19)と類似しており、TP53RTG12を特異的に取得することが困難な状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
ゾウTP53RTg12の搭載については、配列取得が難しい点だけでなく、発現制御領域が機能するかどうかや、タンパクとしての機能がマウスに適合するかなどの懸念があった。このことから、PlanBとしてマウスのTrp53をベースとしたTrp53rtg12を作製することも計画していたため、今後はそちらに移行する。 マウスNIH3T3はtransformation assayに頻用される細胞株であるため、LIF6, Trp53rtg12を搭載したMACを保持させることで、マウス細胞レベルでの発癌耐性能を十分に担保しながら計画を進める予定である。
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