Project/Area Number |
23K19536
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0901:Oncology and related fields
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
倉田 啓史 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (20980717)
|
Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 統合ストレス応答 / アミノ酸欠乏応答 / 造血器腫瘍 / アミノアシルtRNA合成酵素 / 統合的ストレス応答 / 蛋白合成阻害 |
Outline of Research at the Start |
高等真核生物では、アミノアシルtRNA合成酵素(aaRS)の制御異常ががんの発生・進行に関与している。我々は、多発性骨髄腫患者において、GluProRSが新規治療標的である事を見出し、ATP競合型ProRS阻害薬であるNCP26を開発した。NCP26は、in vitro及びin vivoにおいて抗腫瘍活性を示し、他の阻害薬に見られる耐性機構を克服する。造血器腫瘍におけるaaRSの病理学的意義に関しては、依然として明らかになっておらず、本研究では造血器腫瘍を中心としたがん細胞の発がん・進展機構におけるaaRSの役割を解明し、新たな治療方法の開発と疾患予後の改善に繋がる可能性を示す事を目的とする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
造血器悪性腫瘍における(Glu)ProRS選択的阻害の生物学的意義の解析:急性白血病及び悪性リンパ腫の細胞株を用いてProRS阻害薬であるNCP26による増殖抑制効果の検証を行った。骨髄系及びリンパ系の造血器腫瘍に対して、NCP26は優位に増殖抑制効果を示し、新たな治療薬候補であることを確認した。また、この増殖抑制効果はアミノ酸欠乏応答、細胞周期の停止及びアポトーシス誘導によってもたらされることを、複数の実験系により確認をした。同時に、急性白血病の患者検体によっても同様なNCP26のアポトーシス誘導効果を示した。既存の治療薬に対する併用効果を確かめるため、様々な薬剤との組み合わせによる細胞増殖抑制効果を検討し、複数の候補薬剤において併用による相乗効果を示すことが確認された。 NCP26の免疫原性細胞死(Immunogenic Cell Death, ICD)に与える影響の検証:骨髄腫細胞株を用いてNCP26がICDマーカーであえるCALRを細胞表面に誘導することを再度確認した。この誘導がアミノ酸欠乏応答による反応であることを細胞内シグナル解析によって解析を勧めている。 新規治療標的としてのaaRSの網羅的探索:骨髄腫に対してIn silicoスクリーニングにより複数のaaRSが治療標的となりうることを確認した。共同研究施設であるMassachusetts General Hospitalと新規阻害薬作成の可能性について議論・検証を行った。これらの候補aaRSに対する阻害効果が細胞機能に与える影響を検証している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規の研究活動・プロジェクトの立ち上げに伴い、研究者の実験手技の指導や各種実験試薬等の調達、実験機器の整備に想定よりも時間を要した。また、動物実験や遺伝子組換え実験に係る各委員会の審査にも時間を要することとなり、実験を推進する上での律速段階となった。このため、当初の実験計画に比してやや進捗は送れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究活動の開始に係る環境整備は整い、本年度は円滑に実験を推進できるものと判断する。また、実験者の実験手技が確立されてきたたため、実験の進行速度が増加するものと期待する。現時点で、実験計画には変更ない。
|