Project/Area Number |
23K19543
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0901:Oncology and related fields
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
西川 真弘 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (20794308)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 膠芽腫 / glioma stem cell / invasion / MRS / glioma stem-like cell / invasion niche / MR spectroscopy |
Outline of Research at the Start |
膠芽腫の再発は摘出腔周辺からの局所再発が最も多く、その原因として摘出腔辺縁に残存 したGlioma stem cell(GSC)の関与が示唆されているが、GSCの膠芽腫再発機序については未だ不明のままである。GSCは微小環境の変化に応じてその特性を変化させている可能性が否定できない。そこで、本研究では腫瘍辺縁部の微小環境におけるGSCのエネルギー代謝に着目し、解糖系関連の酵素発現やGSCのミトコンドリア機能を解析するだけでなく、代謝産物の発現性をMRSにより評価することで、患者個々のGSCの特性や浸潤範囲を把握するだけでなく、幹細胞性の破綻を惹起する革新的な治療法の開発を目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
膠芽腫の辺縁部に存在する腫瘍幹細胞(GSC)は、その強い浸潤性と放射線化学療法抵抗性により腫瘍再発の大きな要因となっている。我々は、メチオニンPET-CT(Met-PET)を用いて膠芽腫辺縁部の浸潤病態を調べてきたが、施行できる施設も限られており普遍的な検査法ではないため新たな評価方法を必要としている。そこで、膠芽腫辺縁部の浸潤組織および腫瘍細胞の糖代謝を解析することにより、MRSにて腫瘍辺縁部の浸潤範囲および浸潤の程度を評価できる方法の確立を目指した。膠芽腫患者20例を対象とし、術前のMRIとMet-PETを用いて高浸潤型と低浸潤型の2群に分類し、辺縁部の腫瘍摘出組織において解糖系酵素であるLactate dehydrogenase-A(LDH-A)とTCA代謝系酵素のPyruvate dehydrogenase(PDH)の発現を調べた。また、浸潤度の異なる培養GSCでのLDH-AとPDHの発現を調べた。画像上、高浸潤型の膠芽腫組織では低浸潤型組織と比較してLDH-Aが有意に高発現していたが、低浸潤型ではPDHが有意に高発現していた。また、高浸潤性GSCは低浸潤性GSCと比較してLDH-Aの発現が有意に高く、PDHの発現が有意に低かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高浸潤型膠芽腫の腫瘍辺縁部組織および同部由来の培養GSCのいずれにおいても、糖代謝の経路としてaerobic glycolysisが優勢であった。MRSを用いて同部位の乳酸値を測定することは、膠芽腫患者の病態判断に加え、腫瘍辺縁部におけるGSC浸潤領域の予測に繋がる可能性が高いと考えられ、本研究は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
対象患者の腫瘍辺縁部を標的部位としたMRSを施行しており、乳酸を含む様々な代謝産物の発現量を解析し、画像上の浸潤程度との関連性について検討を行う。さらにフラックスアナライザーを用いて、浸潤度の異なる培養GSCのミトコンドリア機能を解析する。
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