Project/Area Number |
23K19584
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0902:General internal medicine and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大橋 直樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院准教授 (00362252)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ミオシン / WPW症候群 / 肥大型心筋症 / CRISPR-Casp / プロテオーム解析 |
Outline of Research at the Start |
Wolff-Parkinson-White(以下、WPW)症候群は頻度の高い不整脈疾患である。ほとんどは孤発例だが稀に家族例が存在する。原因遺伝子としてPRKAG2、MYH7が知られているが、両遺伝子に病的バリアントを有さない家族例も報告されており未知の原因遺伝子の存在が示唆される。 研究代表者は近年、遺伝性WPW症候群を呈する家系においてミオシン関連遺伝子の病的バリアントを発見した。同遺伝子の病的バリアントによりWPW症候群を発症した報告はなく、新規表現型である可能性が高い。 本研究の目的は、該当バリアントを有するノックインマウスを用いて、WPW症候群の発症メカニズムを解明することである。
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Outline of Annual Research Achievements |
家族性WPW症候群(+肥大型心筋症)の家系において確認されたミオシン関連遺伝子の病的バリアントを実験用マウス(C57BL/6)に対して、CRISPR-Cas9のゲノム編集技術を用いてノックインした。得られたF0を、オフターゲットバリアントを確認した後に、野生型と交配することでF1ヘテロマウスを作成し、さらにF1同士の交配でF2ホモマウスを得た。その後はホモマウス同士で交配することで問題なく系統維持ができている。 表現型解析として、ホモマウスにおける心臓超音波検査や心電図検査を行っているが、現時点でヒトに準じた表現型(WPW症候群、肥大型心筋症)が確認されていない。ただしヒトにおいても小児期には異常指摘されず、成人になってから疾患が判明する例が多いため、しばらくは同検査による経過観察を続ける予定であり、病的所見が確認されれば、網羅的発現解析(プロテオーム解析またはRNA-seq)や免疫染色による機能解析を検討する。 一方でノックインマウスを作成した際に偶発的に作成された同遺伝子のnullバリアント(フレームシフトを伴うindel)でも同様の解析を検討している。こちらは現在、ヘテロ同士の交配によりホモマウスの作成を試みているが、現時点でホモマウスが得られていない。バリアントにより表現型が異なる可能性も示唆されるため、こちらのヘテロマウスでも同様に心臓超音波検査や心電図検査による表現型解析や、分子発現解析を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ノックインマウスのモデルマウスの作成には成功し、ホモでの系統維持も問題なく行うことができている。しかし意外にも表現型が現れず、解析方法に苦慮している。 本バリアントはヒトにおいてはACMGガイドラインの"likely pathogenic"に該当し、病的な可能性が考えられるものの、一方でヒトにおいても成人後の発症例が多いのも事実であり、しばらく経過観察を継続する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
しばらくは心臓超音波および心電図による経過観察を継続する。 心臓組織(時期は要検討)を摘出したのち、総蛋白を抽出してプロテオーム解析を行い、各表現型の発症に関与すると考えられる分子の発現部位を免疫染色で同定する予定である。
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