Project/Area Number |
23K19589
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0902:General internal medicine and related fields
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長尾 博文 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任研究員 (70983146)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | エクソソーム / アディポネクチン / T-カドヘリン / 細胞内シグナル / Tーカドヘリン |
Outline of Research at the Start |
申請者らは、膜タンパク質であるT-カドヘリン(T-cad)が脂肪細胞特異的分泌因子アディポネクチン(APN)と特異的に結合し、エクソソーム生合成・分泌を増加させ、血中エクソソーム量の増加を伴い臓器保護に関与することを示した。一方でエクソソーム自身の血中濃度及び、どこでどのように調節され全身に影響を及ぼすかは解明されていない。 (1)MSCsや血管内皮細胞から分泌されるエクソソームによる血中量全体への寄与、そしてインスリン抵抗性やNASH等、肥満による健康障害への関与を解明する。(2)APN/T-cad経路を介した新たな細胞内シグナル伝達機構の存在及びその臓器保護作用への寄与を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者らの研究室は、膜タンパク質であるT-カドヘリン(T-cad)が脂肪細胞特異的分泌因子アディポネクチン(APN)と特異的に結合し、エクソソーム生合成・分泌を増加させ、血中エクソソーム量の増加を伴い種々の臓器保護に関与することを示した。一方で、エクソソームがどこでどのように調節され、全身に影響を及ぼすかは解明されていない。 本研究では、①間葉系幹細胞(MSCs)や血管内皮細胞から分泌されるエクソソームによる血中量全体への寄与、そして糖代謝障害やインスリン抵抗性等、肥満による健康障害への関与を解明する。さらに、②APN/T-cad経路を介した新たな細胞内シグナル伝達機構の存在及びその臓器保護作用への寄与を明らかにする。 ①全身性、そしてMSCsや血管内皮細胞特異的にエクソソーム生合成に関わるAlixを欠損させ、各細胞特異的にエクソソーム産生を阻害するマウスを確立した。この生理的なloss of functionの実験系を用いて、目的の検討を進めていく。 ②血管内皮細胞株や骨格筋細胞株を用いて、T-cadのノックダウンや過剰発現系により、T-cad依存的な細胞内シグナル伝達変化を明らかにしつつある。今後in vivo組織におけるT-cad依存性のシグナル伝達変化と、その臓器保護作用への寄与について検討を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①各組織/細胞が産生するエクソソームの量的質的変化とその病態学的意義の解明 タモキシフェン誘導性の全身Alix欠損マウス(Alix/ Ubiquitin-CreERT2)、MSCs特異的(Alix/PDGFRα-CreRET2)および血管内皮細胞特異的(Alix/VE-cadherin-CreRET2)Alix欠損マウスを、当初の予定通りに作製完了した。これらのマウスにおいて、定常状態での糖代謝・インスリン抵抗性の評価を順次行っており、高脂肪食負荷での体重増加の変化や糖代謝・インスリン抵抗性の変化についても検討を進めていく予定である。CD63NLuc下にmCherryを組み込みCre制御下でONとなるマウスとの掛け合わせも順調に進行中であり、全身のMSCs及び血管内皮細胞が産生するエクソソームが、血中エクソソーム量にどれだけ寄与しているのかについても検討を行う予定である。 ②APN/T-cad経路を介した細胞内シグナル伝達機構の存在及びその臓器保護作用の解明 F2血管内皮細胞やC2C12骨格筋細胞を用いて、T-cadのノックダウンや過剰発現系により、PI3K/AktやMAPK経路を中心に細胞内シグナルの変化を解析し、T-cad依存性のシグナル伝達変化を明らかにした。このin vitroの実験系で得られた知見を基に、現在作製中の各細胞特異的T-cad 欠損マウスを用いて、そのシグナル伝達変化を介した組織への影響を検討予定としている。
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Strategy for Future Research Activity |
①各組織/細胞が産生するエクソソームの量的質的変化とその病態学的意義の解明 全身のMSCs及び血管内皮細胞が産生するエクソソームが、血中エクソソーム量にどれだけ寄与しているのか、そして定常状態における代謝恒常性維持への寄与、肥満・糖尿病病態でのこれらの細胞種由来エクソソームの質的量的変化を介した病態形成への寄与について、引き続き検討を進める予定としている。 ②APN/T-cad経路を介した細胞内シグナル伝達機構の存在及びその臓器保護作用の解明 in vitroの実験系で得られたT-cad依存性のシグナル伝達変化を踏まえ、現在細胞特異的T-cad 欠損マウスを作製中であり、in vivoの各臓器でのシグナル伝達様式の変化、そして組織保護作用への寄与について検討を行う予定としている。
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